貞淑少女の殺戮録 ~狂気の死神は世界を恐怖に陥れる~
しあら
第1話 秘めたる狂気
「月華さんおはよう」
「おはようございます佐野さん」
「お、おはよう天野さん」
「おはようございます、森くん」
今突然、彼女を切りつけたらどうなるんだろう。彼を殺そうとしたら、どう反応するんだろう。今ここで……
「おはよう! 月華さん、今日の英語の小テストどう? 私勉強全然出来なくて」
「おはようございます秋川さん。私は大丈夫だと思いますが」
「そっかー、やっぱり月華さん勉強出来るもんね」
……この私立橘高校に通い始めて2ヶ月。私、
私の家はそれなりに裕福で、小学生と中学生の頃は割と好きなようにさせて貰っていた。中学生になったときには、剣術、弓術、武術は色々とやっており射撃まで手を出していた。自分でいうのもあれだけど物騒だとは思う。でも興味があったのだから仕方ないね。
それに正確に言うと、興味があるのはその術自体ではなく、それを人に向けることなんだけれど。
私は色々なことに興味を持つことがあるのだが、それの方向性や度合いが異常らしい。自覚はある。
方向性というのは、一言で言えば『犯罪行為』にあたることが多い。
流石に犯罪行為に及ぶ訳にも行かないので、今まではその興味を習い事で発散していたけれど、両親の転勤と高校進学で辞めざるを得なくなってしまった。
高校も正直興味は薄かったし、その考えは今も変わっていない。それに興味を抑えてようと静かにしていたら、いつの間にか男子達の間で「貞淑」だとか言われているらしい。私は自身を抑えている訳で素じゃないんだから、そんな風に呼ばないで欲しいんだけどね。
ここしばらくはFPSだとかゾンビゲームだとかでストレス発散をしていたのだけれど、どうにも不完全燃焼に終わる。
やはり自分の体を動かさないと解消出来ない。
どこかに法律に違反せずにこの興味を発散出来る場所はないかな……。
「VRMMO?」
「そう! 仮想空間で実際は動かないまま自分の体を動かせるの! 舞台が20年くらい前の……2020年代の日本が舞台で、魔物と魔法が存在するファンタジーで、好きなように好きなことを出来るって!」
「動かないまま……そんなこと出来るものなんですか?」
「何か脳波とか信号を読み取って……詳しくはよく分かんないけど。でもそれで自分は動いてなくても実際動いてるように体感出来るんだって! それにβテストが終わって7月末にはサービス開始するらしいし!」
「秋川さん声が大きいです。ここ電車の中ですよ」
「あ、ごめんつい……でも7月末なら夏休み1.5ヶ月あるし! 何よりハードとソフト合わせて5万円で、VRにしては手頃だしよかったら一緒に出来たらなって」
好きなように好きなことを出来る……実際に動いているように体感出来る……か。
「一度調べてみます、良さそうであれば買ってみると思うので」
「ほんと?! じゃあ買うことにしたら連絡ちょうだい! えへへ……月華さんと好きなように色んなこと出来たら楽しそうだなって思って」
自宅アパートに帰って調べたけど、明らかに情報が少ない……。
それにVR技術は進化しているとはいえ、完全に思い通りに動けるのはどうにも信じにくいというか。ネットを見る限りβ版の評判は悪くないし掲示板でも色々話題になってるけど、何より運営の『overcommon』って名前は今まで一度も聞いた事がない。こんなゲーム作れるなら有名になりそうなものだけど……。
色々考えたり調べたりしたけど、やっぱり分からない。というか調べてたら日付変わってるし。とりあえず今日は寝てまた明日調べてみようかな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
この小説を選んで頂き、そして第1話を最後までお読み頂きありがとうございます!
本日よりしばらくの間、7時頃、12時頃、18時頃、20時頃、と1日4話ずつ投稿致します。
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次の話以降もよろしくお願い致します。
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