第71話 勝利報酬

 かなりの虐待を受けたのだが、やはりゲームということもあり序盤にきた不幸のパラダイスが嘘だったかのように中盤からはマシになった。


 あとカードがかなり強いゲームで、逆転が可能なカードもあるため、序盤から優勝争いから脱落とまではいかなかった。


 だがやはり最初のハンデはデカかった。序盤から借金地獄からの出発。

 頑張ったが……流石に巻き返しは出来なかった。


 結果は惨敗。


 1位,八号さん

 2位,たらこさん

 3位,コミットブロックさん

 4位,レン


 となった……負けたぁ〜!!! 楽しかったんだけど、やっぱり負けるのは悔しいな〜!!


 《レンの負け〜!》《ゲーム神敗北》《怒涛の不幸連鎖やったな》《おもろかったわー》《けどあそこからよく巻き返したよ》《な、おれなら不貞腐れてるレベル》


 「まぁーゲームする以上、絶対勝つことは諦めないのが俺のポリシーだからな。自分に不幸な結果が舞い降りたところでゲームが楽しいって事実は変わらんしな!」


 《ゲーマーの鏡です》《素晴らしい精神》《ゲーマー全員こうでなくちゃな》《まー切れて台パンってのもおもろいから全員じゃなくてもな》《けどこういう風に考えられる人が増えるべきだな》《そんなもんかな? 別に人それぞれちゃう?》


 「まー何を求めてゲームしてるかによるよな。上手くなりたいとか楽しくなりたいとかで全然違うしな。どっちかっていうと俺は楽しみたい派なだけだから」


 もちろん勝ちたいのは勝ちたいよ? けど勝ちたいって欲だけだとそんな続かないと思うんだよな。やっぱ楽しんでこそだろ?


 《まーレンは楽しんで強いからな》《最強だわ》《神だわ》《やはりゲーム神》《見ててこっちも面白いしな》《最強ですわ》


 「みんなありがとうな。けどなんも出て来んぞ? 出す相手は俺に勝ったあの3人だけだぞー」


 そうそう。久々な流れだな〜自分で言うのもあれだけど、あんま負けないからな〜俺。


 《たらこ,3人で話し合ったんですが私たちは“レンの貸し出し権”を所望します》


 「俺の貸し出し権?」 


 貸し出しって図書館とかのアレだよな? ファンと会うのはどうなんだろう。

 少し躊躇う。流石に個人勢ではあるけども、そこら辺の線引きは必要ではないかな……ちょっとそれは無理かな。


 《たらこ,はい! 最近この三人で第五人間のランクマ走ったりしてるんですけど、やっぱり4人でやる方が連携とか取りやすいし。一つ開けてる枠に“レン貸し出し権”でレンを召喚したいです》

 

 なるほどな! そういうのなら全然大丈夫だ! 

 なんかこう言う報酬、ボイスとか頼まれるのが多いからそういうの盲点だなー


 「おーけーおーけー!! そういうの大歓迎よ! けどなんか予定とか合わせるのめんどくさいな」


 《めんどくさくてもやりなさい敗者》《負け犬は従いなさい》《敗者は何も言えない》《それが打倒レンでの暗黙の了解》《けどそういうのもありなんだ》《んじゃ、ゲームの上手いレンにキャリーしてもらえるんじゃね?》《姫プ》《最高やん》


 「なんか知らないうちに暗黙の了解できてんだけど笑

 いやーね? 三人もいるわけだし、全員予定が合うの難しいやん?」


 《コミットブロック,確かに毎日3人でいけてるわけじゃないのよね》《全員揃うのは確かに……》


 「んで予定合わすのめんどくさいからさ〜提案なんだけど、“フレンドなる”って手はどうよ? これなら各自やってる時に適当にできるぞー」


 推しとゲームのフレンドになれる。そして一緒にプライベートでゲームできる。これほどファンにとって嬉しい褒美は他にない!


 《たらこ,マジですか!? 逆にそっちの方が嬉しいんですが!!??》《コミットブロック,推しと配信の企画以外ででゲームできる!? 最高すぎません!?》《八号,_:(´ཀ`」 ∠):》


 彼ら3人は二つ返事でレンの提案を受け入れた。


 「おーし! じゃあツウィッターのDMにフレンドコード送ってくれ! 追加しとくからさー」


 《今までボイスとかやったのにな》《ボイスもいいんだけど、レンとフレンドなれるって……》《これほど最強な褒美はないな》《なんかもっとやる気出てきたかも!》《俺一つのやつ極めるわ》《めっちゃクソゲー極めるわ》《壺男ガチるかな〜》《それ1人プレーやん笑》《けどタイムアタックとかならいけるくね?》《たしかにー!!》


 今回のフレンドになるという褒美によりより打倒レンを心に誓ったリスナー。それに伴いリスナーが勝ちに貪欲になったため、今までになかった対戦方法を編み出そうとしていた。


 “打倒レン企画”に新たな風が吹いたきっかけであった。


 「いーねいーね! みんな勝ちに貪欲になってきたな! 次からの対戦気が抜けないな笑」


 向井も向井で簡単に負けてられないということでいろんなジャンルに手を出すようになる。元々やっていたゲームはもっと上手くなろうとする。

 すごくWIN-WINな関係が成立したのだ。


 今度の打倒レン企画はもっとアップグレードしているかもしれない。


 「よしゃー。じゃあ今日の打倒俺! はお終い!! 楽しかったぜー」


 《見てて最高だったわ!》《今日も神回ありがとー!》《次は俺が勝つ!!》《レンとエペでフレンドなるんや!》《姫プしてもらおー》


 それぞれのリスナーが感想を告げている中……一つ、レンの目に留まったコメントがあった。


 《こんなに上手いんだから大会とか出ないのかな?》


 このコメントに咄嗟に返してしまう。別に特に理由などない。ただ目に止まったとしか説明できない。


 「あー出たことあるよ? 大会。昔出たわ……やべ、もうこんな時間!? それじゃー乙れーん!」ブチっ


 リスナー達はレンがめっちゃゲーム上手いことを知っている。けど大会は出たことないのだろうと勝手に思ってた。

 だが最後に彼は爆弾を置いて去っていった。

 

 こんな気になるエピソードを話さず去っていった。


 リスナーは沸く。


 《まじかよぉ!!!!》《出たことあるん!?》《嘘ダラァ?》《なんの大会や!!》《教えろー!!》《逃げるな卑怯者〜!!》《アニメリアタイ勢でぼっち・○・ろっく! の12話を待ってる気分や!》《すんごい具体的すぎるw》《たしかにあのアニメ神やったなー》《俺は進○のアニメで完結編が告知された時の絶望感と同じや!》《絶望とは?》《まーけど待ちきれないって気持ちはあってるかー》《えらい、どでかい爆弾投下して帰っていったな》《明日の配信で問い詰めるぞー!》《無理矢理雑談枠にさせるぞー!》


 》》》


 配信は終わっているのにコメント欄が荒れているという謎い現象が発生していた。



 ーーーーーーー


 模試があり更新サボってました。今週から頑張ります。

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