第44話 開戦の狼煙
秦李京香視点
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同期コラボは大成功を飾った!
鮫島ガブ・21万人
鷹葦ロミ・17万人
コラボ配信配信前の各々のチャンネル登録者数が、
鮫島ガブ・15万人
鷹葦ロミ・7万人
マネージャーが小平さんになったのを機に配信頻度を上げていた私が頭ひとつ抜けたんだけど、今回の配信でロミちゃんの歌唱力がさまざまなリスナーに伝わっていい感じに2人とも並んだんだよなー。
その後爆発的なチャンネル登録者のおかげで時期遅れのチャンネル登録者10万人記念配信を行なったらしい。
楽しかったって連絡が来てた。私も10万人記念の時は楽しかったな〜! ほぼぶっとうしで配信してたぜ。
そんな勢いのある私たちにとうとう他社の配信者とのコラボが決まった。私もロミちゃんもめっちゃ嬉しくて舞い上がったね。
最初は嬉しく感じた。だが、相手の名を聞くと意外にも感じた。
そして今現在他者とのコラボの件で打ち合わせをしている最中だ。
「え? 早坂椿(はやさか つばき)?」
「はい……そうです」
「あ、あの確かその人“ラピスベリー”の配信者ですよね?」
「はい……少々匂いますが、時が来ました♪」
めっちゃ小平さん嬉しそうだ。本来の目的は狡噛レンがなぜ引退まで迫られたのかという真実を暴くために頑張ってたもんな。
「今回は私も同席します。同席といっても会社について行くだけです。秦李さんが配信している間、私はラピスベリーである人と会ってきます。秦李さんは楽しんで配信してください!!」
こころなしか今まであった中で一番元気に見える。そう思えるほど小平さんは笑顔だった。その裏にはドス黒い復讐心が仄見える。
「……全てが終わったら……やっと向井くんに連絡できるよ」
「!?」
そっか、例の事件を知るだけなら向井さんに聞けばいい話。マネージャーなのだから電話番号も知っているはずだ。
それでも彼には確認せず自分で知ろうとするのは、堂々と話す為か。
真実を知り、全てが明らかになった状態で話すため。彼がなんの責任も感じさせずに会えるようにするため……
………あぁ本当にできたマネージャーさんだ。
そんな彼女を手伝わない手なんてあるに決まってるよな? 私のためにいろいろ頑張ってくれたんだ! 手伝うともいったしな。
「んで、小平さん? 私は何をすればいい? 手伝うといったからには手伝うぞ?」
「え、そうですか?」
そういうと彼女は深く考え込んだ。けど、答えがはっきり出てこないのか頭をコネコネしながら考え込んでた。
「ん〜〜〜〜ですが、秦李さんがここまで頑張ってくれたので巡ってきたチャンスなので実質すごいことを手伝ってもらったわけですし………大丈夫です! ここからは自分で頑張ります!!!」
ふふ……彼女らしい答えだ。ここまで彼女と一連托生のように頑張ってきた私だか思う。
「そっか、んじゃ頑張れ。私は私でやるべきことをしてくるよ」
「そうですね! お互いがんばりましょう! では、早坂椿さんとどんなコラボしたいですか? いろいろ案言っていってください!」
「ん〜そうだな〜」
その後はいろいろな案を出し合った。その案を早坂椿さんのマネージャーと打ち合わせするらしい。
私は配信しながら見守っておこう。
*藤屋蛍*
「“リッタ・マドレーヌ”〜? 本当にきましたね〜」
「そうだね。本当に盗み聞きした電話の通り」
実は密かに分かっていた。ぐらぶるダクションを変えようとしたきっかけも電話を盗み聞きした時だから。
電話の内容からして絶対ラピスベリーとぐらぶるダクションには何かよからぬ関係があるに違いない。
だが、いろいろ試行するたびに色々と“矛盾点”が見つかってくる。
まず前提に向井くんと最爽エリーのコラボ失敗した。普通に考えてラピスベリー側は“隠蔽”しようとしたと考えられる。
だからこそ向井くんが語ってくれたことは隠蔽され、デマカセの内容が公開された。
けど隠蔽したとなると立場上、ぐらぶるダクションの部長の方が“上になる”のではないか? 隠蔽しようとしたラピスベリーの弱みを握ったんだ。それなのに……
『いや〜本当に願ったり叶ったりだよ。あなたのシナリオに従っただけで本当にコラボしてくれるとは〜』
なんか下手に出ているように感じる。本来はラピスベリーの方がVtuber界では先輩なためこうなるのは必然のように感じるが、例の事件を考えるとその関係性は奇妙に思える。
それにもう一つ。
『向井には感謝だな〜〜あ、すみませんねぇ〜思い上がっちゃって口に出しちゃいましたよ〜ぐへへへ』
“向井には感謝”なぜこいつが感謝する必要が? 大手のラピスベリーの弱みを握れたとかゲスい関係になってるなら繋がるが、盗み聞きした限りそんな関係だと思えなかった。
至って、コラボしてあげる大手企業とコラボさせてもらえる中小企業という関係性に感じた。
コラボの内容を隠蔽したとなると向井くんに感謝なんて必要ない。今現在のラピスベリーとぐらぶるダクションとの関係性に向井くんは関係ないのだ。
それなのに“向井に感謝”……だめだ考えるほど考えるほど繋がらない。
何かの考えに囚われすぎているのか? いや、まだ決断するには早いということだろう。情報が欲しい。
「軽くコラボのこと説明するね。場所はラピスベリーの会社でするそう。狡噛レンくんの事例もあるからマネージャーも同伴ということになったわ」
「同伴!? それは心強いですね〜」
「んでね。藤屋さん……ラピスベリーに着いたら後は一人で色々頑張って欲しい。私はそこでいろいろ情報収集する」
私が前のめりになりこっそり喋ったことで話の意図を察したのか、いつも緩んだ顔がキリッといたずらを考えている女の子の顔になり、藤屋さんも顔を近づきできた。
「ふふふ、例の件ですね?」
「例の件です。ぐらぶるダクションはラピスベリーと何か関係があるはずです。元々私はラピスベリーのマネージャーだったので、そこでの知り合いに変わったことなど情報収集してきます」
「へぇ!? 枚田さんってラピスベリーの人だったんですね」
あぁ、言ってなかったか。
「そうです。かなり人脈はあったので藤屋さんが配信している間、私は別の場所で頑張ってきます」
「なるほど……わかりました! 任せましたよ?」
「はい! 絶対掴んできます」
「ふふふ……」
このラピスベリーの潜入が今後の展開を大きく左右する。
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もうお分かりでしょうが、作者は一週間に一度は不定期で休みます。そういうもんだと思って気楽に更新をお待ちください(^_^)
みなさんはぐらぶるダクションとラピスベリーの関係性の真意に辿り着いてるでしょうか? いろいろ散りばめられてるし、散りばめていくので枚田さんと考えながら両企業の関係性を考察してみてください!^_^
(このことは今後の展開に関わってくるためコメントに残してくれた方にはフフフ(´^∀^`)フフフという顔文字で返します)
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