第22話 スペースする前の出来事
小説フォローが500超えました! 感謝です!
ーーーーーーーーーーーーー
分かってました。なんとなく想像ついてました。
学校で授業を受けるという名の睡眠をし、帰ってスマホを開いたらすごい量のいいねと反応でした。
まーちゃんとたくさんの人に伝わったと思えば最高の結果だ。
けど、やっぱり思う。なんでこんなにバズってんだ。鍵垢だからこんないいねしたところでバズんねーて。
俺が活動してる時にこのえぐい反応してほしかったな〜なんて思っちまう。
それほど、この反応具合は向井にとって……いや、狡噛レンにとって異常なのだ。
「……なんか今になって緊張してきた。久しぶりの配信みたいなもんだからな……あ〜! 緊張してきた!!!!」
コラボ配信以来からたった3日しか経ってない。しかし毎日配信をしていた向井にとってはされど3日だ。
予定まではまだ時間がある! ちょっくら外出てみるか。
****
部活をやってない俺だが、放課後寄り道をする俺はほぼ部活をやっている男子高校生に等しいと言っても過言では無い。←過言です。
なので現在の時間20時。辺りは街の明かりで闇のない虚実の世界を作り上げていた。
だが闇の世界などなく、誰しもが闇を抱え生きている。
ほら、闇を抱えた女性が今現在と遭遇している。
「向井くん? こんな遅くにどこ行くの?」
枚田さんだ。彼女に慰めてもらってからは交流なかったが同じマンションに住んでいるのだ。
「なんかソワソワしちゃってちょいと外でよーかなーって」
「あースペースのこと?」
え? 枚田さんなんで知ってんだ? サークルにいれた記憶ない気が……
「一応、コラボ相手のことは調べるよ。その経緯でフォローしてたかな」
そっか、アンチ集団対策にコラボ配信前に俺のことフォローしてた人をサークルにいれてたから、枚田さんはサークルに入ってたんだ!
「はい、その件ですね。こう見えてデビューしてから毎日配信続けてた人なんで」
「デビューしてから!? 学生なのにめっちゃ頑張るじゃん!」
「楽しいと思ったら俺って一直線なんですよ笑」
何回も言うが配信は毎日楽しくやっていた。じゃなきゃ毎日配信なんて続けられんよ。
「差し支えなければ聞いていい? スペースで何話すの?」
枚田さんには社会クソだ連合結成時に言っているからな。問題ないだろう。
「コラボ配信の時起こったことです。会社の説明では納得しないといったファンがたくさんいるので、こっそり説明しようかと」
「そうなんだ。いいファン持ったね」
「だからこそファンのためにも頑張りたいんですよ」
「こりゃ熱血野郎にもなっちまうよ」
やれやれと両手の平を天に見せ、お手上げだと言わんばかりな言い草をする枚田さん。
「ま! 気楽にしな。私も聞いてるからさ!」
「なんか知ってる人に聞かれてるって恥ずいっすね……笑」
「向井くんは有名だから結構いろんな人が見てるかもよ?ニヤ」
「やめてくださいよ笑」
やっぱり枚田さんは喋りやすいな。似てる境遇だからかな? 年の差関係なく枚田さんは本当に接しやすい。
「あ、もう9時近いんじゃない?」
「!? ほんとだ!? もうすぐだ!」
「こんなところで喋ってないで早く帰ってスペースの準備しなー笑」
「了解です!」
敬礼のポーズをとりその場を後にしようとした。
「そういや向井くん、さん付けじゃなくて呼び捨てでいいよ?」
「流石に歳上に呼び捨てはどうなんですか?」
「んじゃ、名前で呼んでよ。さん付けされるほど距離遠いと思わないんだよ」
出会ったのは短い。けど距離が遠い存在で無くなっているのは確かにそうだ。
「んじゃ、俺のことも名前で呼んでくださいよ。雄馬って」
「それはまだ早い!」
「なんで!? 変わんなくない!?」
「そこは女心だよ〜」
枚田さんに翻弄されてる……確か名刺に書いてたのは……
「“美瑠”(みる)さん、で合ってましたよね?」
「お! 言ったっけ? 私」
「名刺に書いてあったの思い出して」
「すぐさま女の子の名前覚えれるのはポイント高いぞ〜」
「覚えるの得意なんで〜」
なんのポイントだよっていう、鈍感野郎じゃない。“人としての道徳ポイント”を指しているのは俺でも分かる。
「それじゃスペース頑張れ! 向井くん!」
「美瑠さんは向井で通すんですね……はい! 頑張ります!」
いつのまにか緊張もほぐれてる。これから毎日緊張したら美瑠さんに会いに行こうかな。
そう思えるほど彼女の存在が向井にとっては欠かせない存在となっていた。
ーーーーーーーーーーーーーー
ワタクシ、ラブコメであるあるの鈍感野郎嫌いです。←どの口が言うてんの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます