飯テロの魅力

私は食べることが大好きだ。

外食をするときはいろんな店に足を運び、気に入った店は何度も行っていろんなメニューを注文する。

旅行に行くととにかく三食丁寧に現地の美味しいもの、ついでにデザートも楽しみたい。言っておくが、グルメではない、コスパが良い美味しいもが好きなのだ。


作品では食事シーンをしっかり書くようにしている。

飯テロ、と言って良いのかわからない。実のところ、いくら文章で書いても本当に口に運んだときの美味しさは伝わらないと思っている。

そういうわけなので、自分の文章では美味しさは表現できていないと思う。食の感動は文字で伝えるのは難しい。


余談だが、私は「烏鵲堂飯テロ事件簿」とタグをつけて飯の写真をSNSにアップしている。飯の写真が上手い、と褒められることがあるが、テーブルに運ばれた食べ物への愛情と憧憬がそうさせるのだと思う。


飯テロをするが、飯テロ小説が好き、というわけではない。

飯テロで好きなのはドラマ「孤独のグルメ」だ。ちゃんとお店の雰囲気や料理が映像で分かるからだ。


なぜ飯テロを入れるのか。

私は三国志遺跡巡りをしたいがために、中国に何度か旅行に行ったことがある。そのとき食べた日本で見る中華料理とは違う中国の家庭料理に感動したからだ。

最近では池袋などでガチ中華なるものが流行っており、珍しくもないかもしれないが、中国で食べた美味しいものを紹介したいという思いで小説に組み入れた。


『ワラキアの眠れる龍の伝説』はルーマニアを巡る冒険小説だ。ルーマニアにはドラキュラ伝説を求めて三度旅行した。憧れの国で食べた伝統料理を紹介したいという思いで食について文字数を割いた。

私にとっての飯テロは、グルメレポの一面があるのかもしれない。


改稿版『烏鵲、暁闇に飛ぶ』では初稿の飯テロシーンを削減した。

というのも、料理を紹介したいがために無為に食べ続けていたからだ。これではだらけてしまう。


食事のシーンを厳選して意味を持たせることにした。

最初の釜玉うどんは中国人は生卵を食べないという文化の違いを出すため。また、うどんといえば日本食の代表なので、それを中国から初めて日本にやってきた客人に振る舞う意味があった。


池袋のガチ中華は池袋にある店と中国のローカル料理の紹介だ。神保町は今後舞台となる場所なので登場させて、名物のカレーを紹介した。

各シーンで会話が弾むしかけや場所の印象付けに利用している。


コロナ禍が一応収束し、いろんな土地へ旅行することができるようになった。

現地の美味しいものを食べる喜びを噛みしめている。飯テロは取材が重要だと心得ている。これからもいろんな土地の美味しいものを楽しみたい。これはあくまでも取材だ。

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