ファインダー越しの世界

「パシャッ」


「え、ちょっと何撮ってんの?!」


その光景が目に浮かぶ  


彼の遺品を整理していたら、彼がいつも持ち歩いていたカメラが出てきた。


フォルダを見てみると怒った私、笑っている私、いろんな私がいた。


彼から見た私はこんなにもキラキラして見ているのか


自然とファインダーに引き寄せられた。


私は彼を探すように小さい窓ををそっと覗いた。


ファインダー越しの世界は色褪せ、まるで空間だけが切り取られたみたいだった。


シャッターを押してみたけど涙のせいでピントが合っているのかすらわからなかった。


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