10行で読める小説〜日常の瞬き〜

saya

花言葉

彼は定期的に花を買ってきてくれる。


先月は真っ赤な「カーネーション」を。


この前は夜空みたいな色をした「紺色のゼラニウム」だった。


もうそろそろ彼が新しい花を買ってきてくれる時期かな。


予想していた通り、仕事から帰ってきたら机の上に花が置いてあった。


今日は「黄色い薔薇」だった。


その日から彼は私の前から姿を消した。


でも私は知っている。


彼の気持ちが離れていたことを。


「黄色い薔薇」の花言葉は愛情の薄らぎ。

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