第20話 『ダークリング』を手に入れる
「カ、カゲト様っ!」
エステルが俺に近づいてくる。
「う、ううっ……」
俺はリッチの大雷撃(ハイ・ライトニング)をモロに食らって、割と致命傷だった。だが、当然のように死んだわけではない。ちゃんと意識はある。
「ま、待っていてください。今、ポーションを使いますから」
「あ、ありがとう……エ、エステル」
【エステルはポーションを使用した。ポーション×2個を消費。ポーションの残量が3個→1個に減少。カゲトのHPが100回復した】
「……はぁ……はぁ……はぁ。い、生き返った。エステル、ありがとう」
「い、いえ。リッチを倒せたのも、カゲト様が囮になってくれたおかげですから……」
ちなみに、リッチが使役していたアンデッドたちは、主の魔力で動いていたからなのか。主であるリッチがいなくなった事で、魔力の供給が途切れて動かなくなったようだ。一瞬で無力化していた。
だからこれで一件落着だ。……多分。リッチが復活とかしなければだが……。そんな事恐らくないと思うが……。
「あっ! 見てください! カゲト様っ!」
「ん?」
「リッチを倒した所に、何か、アイテムがありますっ!」
アイテムか。そういえばリッチを倒せばレアアイテムが手に入るかもしれない、と言っていたな。
俺はリッチが落としたアイテムを拾う。
【ダークリングを入手した】※ダークリング、装備品である。装備品の分類としてはアクセサリであり、通常、武器や防具を装備したまま身に着けられる。
※闇属性の攻撃に対する耐性を得られる。闇属性から受けるダメージを半減する。
「リッチが落としたのは装飾品みたいだ……どうする?」
「それはもう、カゲト様が装備されたら良いのではないでしょうか?」
「いいのか?」
「ええ、勿論ですっ!」
エステルは笑顔で答える。
「じゃあ、遠慮なく」
俺はリッチがドロップした【ダーク・リング】を装備した。
ちなみにこの戦闘を終えて、俺のLVが上がり、Gを入手する事ができた。エステルは元々レベルが高かったのと、成長率が違う為上がらなかったのだろう。また、新しい技スキルを修得する事ができた。
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※先ほどの戦闘でLVが上がりました また技スキルを修得しました
臼井影人 16歳 男 レベル:15(NEW)
職業:無職
HP:75(NEW)※以下、パラメーターは更新されています
MP:75
SP:75
攻撃力:75
防御力:75
素早さ:75
魔法力:75
魔法耐性:75
運:75
資金:1500G (NEW)
装備:勇者の剣 ※LVに応じて攻撃力が上昇する。具体的にはLV×10 銅の防具 ※防御力+5
装飾品:『ダークリング』※闇属性のダメージを半減する
資金:1500G→3000G (NEW)
技スキル:一刀両断【敵単体に大ダメージを与える剣技】※使用SP10
回し斬り【自身の周辺にいる複数体のモンスターにダメージを与える件技】※使用SP20
気合斬り【敵全体に大ダメージを与える。ただし、発動までにチャージタイムが必要。チャージタイム中にダメージを食らうと中断されるというデメリットも存在する】※使用SP30(NEW)
アイテム:
ポーション※回復力小のポーション。一回限りの使い切り。消耗品。×5→1(NEW)
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「よし……」
順調に強くなってきている実感があった。
「目的は達成したし、とりあえずは人のいるところに戻ろうか」
「はい、そうしましょうか」
こうして、俺達は来た道を戻っていく。
そして、俺はこの時知らなかった。まさか、あの勇者ハヤトとの思ってもみない再会を果たす事になるとは、俺は夢にも思っていなかったのだ。
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