第3話
呉さんが応援に来て1週間がたった。
人見知りなのかあまり喋らず取っ付き難い。
仕事の事について聞いても基本笑って誤魔化すばかりだった。薄気味悪い人だと思っていた。
呉さんはいつもリングネックレスを首から下げていた。
「呉さん、私と同い年だよね?」
無音が嫌いな私は咄嗟に至らぬ質問をした。
すると、
「あー、って田村さんが言いよったなぁ」
と返ってきたので普段何も喋らなかったから少し嬉しくなり
「ネックレスいつも付けてるよね?彼女とお揃いとか?」
と聞いた。すると、
「彼女とかおらへんよ」
と言っていた。
私はあれ?と思いながら田村さんおるっていってたのになと余計なことを考えていた。
その出来事から数日後、
今日の出勤は私と難波さんだけだった。
いつもはこういう日は2人で仕事をしているのだけど今日は様子が違った。
いつものように呉さんが仕事の指示を出す。
「今日は本門さんは601の掃除して難波さんは2階からリネン室の掃除。僕は引き継ぎ終わったら本門さんと交流します。」
このラブホテルは7階建てだ。
あれ?と思いつつも6階に向かった。
しばらくして呉さんがきた。
私は風呂場の掃除をしていたらスマートフォンを取り出し、
「僕明日休みやから支配人言うことコロコロ変わるやん?やけ、明日支配人何言ってたか教えて欲しい。LINE交換出来へん?」
とIDをメモし始めた。
確かに支配人は言うことがころころ変わる人だった。
だからわたしははいと返事をしLINEを交換してしまった。
夕方位にやっと難波さんと合流した後さっきの出来事を相談した。
「呉さんとLINE交換した?」
と聞くと難波さんは
「そんな話しもしていないし、LINEも交換してないよ」
と言っていた。
私は不思議に思った。
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