【ブログ再掲】嘘映画批評
(過去にサイト投稿したネタを再掲しています)
※評価は★を1、☆を0.5として、5が最高です。ネタバレ注意!
■ハンニバれ
■あらすじ
本州の最南端、山口県にある山奥の小規模な村。村を囲むようにそびえ立つ山々、緑あふれる自然そのものの村で、人々は慎ましく生活していた。だが時代が流れるにつれ、村の若者達は都会に憧れ、みな村を出ていってしまう。過疎化が進む村には年寄りばかりが残った。ふるさと基金で村興しを試みるもうまくいかず、ますます切迫する村。しかし、そんな時であろうと、年老いた村人達は「ハンニバれ、オラ達が今ハンニバらんとどげんするんじゃ(※はんにばる、とはこの地方の言葉で「気張る」という意味)」と、お互いに手を取りあい励まし合って子作りに励むのであった。
■感想
過疎化、ふるさとづくり事業、団地取り壊し問題、老人の性など、様々な社会問題を取り入れた秀作。とくに中盤、村の緑あふれる大自然の美しさと、若者達の憧れた都会の汚れきった狭苦しさを交互に見せるシーンは、そのコントラストが素晴らしい。村興しに山口県の名所のミニチュア「山口ランド」を作るのも安直で良い。「山口に山口のミニチュア作ったって、直接名所に行ったほうがいいのでは」と県の職員に言われた場面の村人達の愕然とした顔は必見だ。 「ハンニバった」結果、ねずみ算式に生まれた子ども達が、村の畑に一斉に並ぶ壮観なラストは、是非劇場の大画面でご覧頂きたい。
評価★★★★
■トラいもん・野火太と食人族
■あらすじ
例年のごとく、秘境を冒険したいと言い出した野火太達とトラいもんは、タイムマシンで300年前のアフリカの奥地へ冒険の旅にでる。しかし、そこには恐ろしい食人族達が待ちかまえていた! 食人族は、逃げまどう野火太等を捕まえると、次々と磔にし…。ツネ夫とジャイオンが目の前で食べられていく様を目にした野火太はすっかり気が狂い、ずしかちゃんは失禁。体が機械のため唯一助かったトラいもんは、粉々の骨になった仲間達を見て途方に暮れるが、復元光線があったことを思いだし…。
■感想
少年向けアニメながら、R18指定を受けたシリーズ中最大の問題作。あまりに残虐なシーンに、公開にあたり国会議員・世論を巻き込んだ一大騒動をよんだ。実写では不可能なシーンも、アニメならではのリアルな表現が嬉しい。ただ惜しいのは、つねに食人族や残虐シーンが中心として話が進んでおり、本来シリーズの大前提である野火太やトラいもんの冒険や活躍・友情がまったく見られなかったことだ。ツネ夫の「ジャイオンの方が太ってて旨いよ!」のセリフにはやや興ざめ。アニメとしては、火あぶり・馬を使った股裂きなどスリルにつぐスリルで、観客を飽きさせない工夫があり評価は高い。崩れた骨に復元光線をあてるも、体は戻らす骨組になっただけというオチも意表をつくラストだった。
評価★★★☆
■バトル・ロイヤル
■あらすじ
浮気・離婚・愛人騒動…。A国王室のロイヤルファミリーを舞台にした、愛と憎悪のうずまくドキュメント映画。
■感想
公開前、皇太子の避暑地妻と呼ばれた愛人が登場し全てを暴露というふれ込みで話題をさらったこの映画だが、実際には全身モザイクで内容にもほとんどマスクがかかるという有り様。しかも、全編に渡り隠し撮り写真の静止映像だったのは辛い。唯一本人が出演したエリザーマス女王も、女王本人の遺憾を表したコメントで、実はそっくりさんだったという事が発覚した。しかしあの癇癪の起こし方には、私もすっかり騙されたほどである。なお、王室側のスポークスマンによると、王室は近く、この映画製作会社に対し名誉毀損で訴えるとのこと。映画としてはともかく、まだしばらくは台風の目となりそうだ。
評価☆
(2001/4/1初出)
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