第5話 当然の反応
第5話
大人の女性、おそらく母親らしき人が慌てて近寄ってくる。
まぁ、酷い絵面ですよね………
だって、娘(仮)が見知らぬ男性に抱きついてるんだぜ?
こんな状況、キモい犯罪者かキモい誘拐者、キモい不審者のどちらかだろうよ。
「あっ、お母さん!見て見て、お父さんが居たよ!」
「えっ?ちょ、えっ?何言ってるのカナ!ちょっと離れてください!」
「あ、はい。」
『おやおや、完全にキモい不審者を見る目だぜアレ?可哀想なレオ君だぁw』
と、俺を睨みながら、カナちゃんを引っ張るお母さん。
そして、俺を嘲笑うエンヴィー。
未だにショックを受けて再起不能になってるリナ。
どうやら、俺に味方は居ない様だ。
………………………………うん、泣きたい。
「嫌!お父さんと離れたくない!!」
「何言ってるのカナ!貴方のお父さんとそこの人は顔が全然違うでしょ!」
「本当にお父さんなの!カナ、嘘なんか吐かないよ!」
と、俺にしがみつきながら親子喧嘩をするカナちゃん。
もう、帰してください………
『ふふ、修羅場だね………親子丼はあまりオススメしないよ?』
誰がするか!
「本当にどうしたの、カナ!?」
「やっと会えたの!本当のカナのお父さんに会えたんだよ?どうして、お母さんは嫌々するの?もしかして、浮気してるの?」
『インモラル♪インモラル♪』
あっ、それ以上は………
ていうか、インモラルの意味を解ってて言ってるか、エンヴィー?
「なっ、そんな訳………そんな訳がないじゃない!それに………貴方のお父さんはもう天国に行っちゃたのよ!!!」
『おやおや、コレはまた………』
重い、重いです………
何で、俺はこんなシリアス空間に閉じ込められてるのでしょうか?
「違うよ!お父さんは此処に居るじゃん!」
「もう、訳の解らない事を言わないで!早く帰るわよ!」
「嫌だ!嫌だよ、お父さん!!」
と、無理矢理お母さんに引っ張られて連れて行かれるカナちゃん。
そして、お母さんは俺を一睨みし………
「もう、カナに変な事を吹き込まないでくださいね!」
と、彼女は泣き叫ぶカナちゃんと一緒に去っていく。
カナちゃんは最後まで俺を父親だと叫び続けながら………
「疲れた………」
『お疲れ様、お父さんw』
お前、後で、ぶっ飛ばす!
「はは、違う。レオは浮気なんてしない。あの子は私の………そう、私の娘よ。そして、私は決してオバちゃんじゃない!じゃないのよ!」
よく聞き取れないが、まだ壊れてるなリナ。
勝手に離れる訳にはいかないし、マジでどうしようか………?
☆☆☆
カナside
「お父さん………」
私はお母さんに聞こえない様にそう呟く。
やっと見つけた、私達のお父さん。
仏壇にある私の知らない変な人とは違う、本物のお父さん。
「絶対に一緒に暮らしてもらうから………」
お母さんは多分、久し振りに会えたからツンデレっていうアニメでしてたお病気になってるんだろう?
恥ずかしいのは解るけど、素直になろうよお母さん………
「逃さないからね、お父さん?」
大好きだよ、ずっと昔から♪
でも………
「お父さんの中に居る女の人は誰なんだろ?もしかして、不倫?あのオバちゃんともしてそうだったのに?」
う〜ん、お仕置きした方が良いのかな?
続く
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