少しずつ狂う日常 嫉妬に翻弄される彼女達…
クロスディアⅡ
第1話 プロローグ
俺の名前は
普通の男子高校生と言いたいのだが………
………少し違う。
何でかって?
それはな………
『うぅ、妬ましいねぇ!』
………俺の中にもう一人居る。
正直、幻聴の類いだと思った事はある。
だが………
『おいおい、昔から一緒の幼馴染な僕を幻聴扱いとか酷いなぁ、レオ?その残酷さに嫉妬しちゃうぜ!』
と、昔からしつこくこんな感じだ。
コイツの名は、リヴァイア・エンヴィー。
………まぁ、姿を見た事がないので自称になるのだが、女らしい。
どんな姿をしてるんだろうか………?
もしかしたら、婆さんだったりして?
『失礼な!僕はれっきとしたうら若き乙女なんだぜ?君と出会う前から清廉なな処女様だ!………はぁ、愛する人に純潔奪って貰える子が妬ましいなぁ。』
………だそうだ。
しかし、どうでも良い事情まで知ってしまったなぁ………
「はぁ、お前は一体何者なんだ?」
『いずれ解るさ。だって、最近は面白い事になってるからね。』
訳が解らない。
コイツが俺の中に居る理由も、何をしているのかも。
名前以外の全てが
これはそんな俺と彼女………
………そして、その家族達の物語。
☆☆☆
???side
「いや、ヤバいでしょ………」
久し振りにやらかした………
まさか、この世界にこんな化け物が居るなんて………
「理不尽の極みだね………」
まるで、あの人の様だよ………
「レオ君だっけ?面白そうだし、お母さんが喜びそうな子だけど、流石に部が悪いね。」
触らぬ神に祟りなし。
藪を突かなければ出る蛇は無しなのだ。
「さて、ずらかると…『出歯亀なんて趣味悪いなぁ!でも、そういう事が出来る根性は妬ましいぜ♪』……無理かぁ。」
いつの間にか、この化け物に後ろを取られてた。
はぁ、殺るしかないのかな?
割に合わないなぁ、もう………
『君、傲慢だね?』
「そういうお母さんを見て育ったからね!」
これは私がしくじり、舞台上に上がってしまった物語。
そして、二人も要らない怪物から逃げ続ける物語だ。
☆☆☆
エンヴィーside
『はぁ、逃げられちゃったかぁ…』
服が破けちゃったよ………
あんな強さがあの若さであるなんて、妬ましいなぁ………
私はこんなにも弱いままなのになぁ………
「ねぇ、君そんな所で何してるの?」
おや?
僕に変な男が近付いてきたよ?
ふむ、服が破けた僕を心配してる………風を装って下心が透けてるね。
そういう繁殖欲丸出しなのも妬ましいよ。
僕には一生出来ない行為だからね。
…………………………………………でもさ。
『うん、決定♪』
僕をそんな目で見ていいのは、レオだけなんだぜ?
だからさ………
「えっ、何がだい?」
………僕の血肉になってくれない?
『いただきます♪』
これは僕の心を満たす為に、努力し続ける物語。
そして、それが報われる様にと嘆き続ける悲劇だ。
続く
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