(二)-21

 そして最後に下新倉土建の楡原久史に電話をかけた。今年四四歳のベテランになりつつある若手だった。真面目で善良な人柄で、松ヶ浦も信用していた。その性格ゆえ、堅実経営で知られており、社員たちから慕われていた。地元の水道・ガス関連のインフラを中心に、埼玉県南部で大小の仕事を広く手がけていた。

「おはよう、楡原さん。今少しお話、いいかな。今朝発売になった『週刊文潮』の件だけど」

 松ヶ浦が電話にそう尋ねた。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る