第10話

 C級機関とは何であるか。ユーリはその前に座り操作する。


 「CQ、CQ、応答願います!」……ただの無線機である。


 とはいえ、数の世界は未だ開発途上というか、一応、中世ヨーロッパの様な外観ではあるが科学技術となると原始時代にも劣るような世界であって、進んだ機械文明をオーパーツ的な機械は圧倒的な何かをもたらすかもしれなかった。

 

「CQ、CQ、応答願います!」


「CQ、CQ、応答願います!」


「CQ、CQ、応答願います!」


「CQ、CQ、応答願います!」


 無線機というのは、同じ機械を持つ何者かが居なければガラクタに過ぎない。


「CQ、CQ、応答願います!」


「CQ、CQ、応答願います!」


「CQ、CQ、応答願います!」


「CQ、CQ、応答願います!」


「何よ。うるさいわね」


 そこにまさかの応答があった。

 ユーリと同じように三流の悪魔を喚び出した者が居たのである。

 それは、何処の誰であろうか。

 

「失礼ですが、どちらさまでしょうか?」


「レディに対する礼儀がなっていないわね。まずはそちらから名乗ったらどうですの?」


「大変失礼いたしました。わたくし、奇数国のプライム・ミニスター、ユーリと申します!」


「そう、アタシは……」


 それを聞いて周囲は凍りついた。

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