――たとえば、健康寿命に影響する脳卒中を起こす高血圧も、直接・間接的には２００を超える遺伝子DNAの塩基多型が関係しますが、単一の変異は血圧を１～２ミリ変えるだけです。

　一方で、塩を取り過ぎている人が数週間減塩すれば、すぐに血圧は下がります。この例を見ても、環境要因のほうが、健康に与える影響が大きいことは予想がつくと思います。

　ですから

「私は早死にの家系だから……」とか

「ガン家系だから……」などと諦める必要はありません。

　また、その逆もまた真なりです――。

『８０代現役医師夫婦の賢食術』家森幸男（文春文庫）

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