第266話 はからずも人新世に生くる身の矜持としての運転仕舞(医師脳)

 晩節を堅持するうえで侮れないのは、高齢者が起こす交通事故。

……ということで、レガシィから御守りをはずしたのは、72歳の誕生日前だったはずだ。


「運転仕舞に致します。半世紀余もの間、無事に楽しませていただきありがとうございました」と唱え、運転免許証と一緒に神棚へおさめた。


 運転仕舞で不便は感じるが、逆に歩く機会が増えたのだから……。


 更に言えば、人類(の経済活動)が地球を破壊する時代【人新世】への抵抗でもあろう。

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