「食事が摂れないのでPEG(経管栄養)にしました」

　前医からの紹介状には、そう書いてあった。

　入所した当初は無口なお婆さんだったが、施設やスタッフにも慣れて笑顔を見せるようになる。

　プロジェクトT(たべる)の支援もあって、経口摂取トレーニングの効果が出てきたころ。

　食堂で栄養剤の注入を受けていた時だった。

　周りの婆さんたちにお膳が運ばれているのを見て…。

「おらさもまま」

　なんと、ご飯を食べたい（私にも御飯を！）と明確に意志表示をしたのである。

「よし、食べさせよう！」と、爺医も腹をくくる。

　早速お膳を運び、皆が見守るなか…。

　とりあえず昼食は(PEGをやめて)本物の食事を楽しんでいる。

「いずれは三食とも」と張り切るプロジェクトT！

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