夜と朝の観測

午後十時。ザーザー。

こちら、夜の途中。台風に気をつけろ。


午後十一時。ピコン。

連絡ついでにSNSを開く。

いろんなニュースが流れ込む。

一度はその地を踏みたいと思っている島が大変そうだ。


午前零時。ガヤガヤ。

向かいの大学寮が騒がしくて羨ましい。

問題集にチェックを入れた。


午前一時、チカチカ。

風で揺れる木に隠されて、見え隠れしている光。


午前二時、ブォーン。

ずいぶん根性のある車がいたと思ったら雨はだいぶ弱まっていた。

眼下に広がるは、思い出以外になにも無いまち。


午前三時、ジャー。

明日の発表が気になって眠れない。水を飲み下し休校の知らせを心待ちにする。


午前四時。ピチュチュン。

鶏が鳴くのを聞けずとも小鳥が囀るのは聞ける。

そういえばいつものシャッターの音がしない。

あれがどこのシャッターか、そろそろ居所を突き止めたい。


午前五時。ガコン。

一階の自販機でエナドリを買う。三本の爪痕に水が滴る。

マンションの外は酷い土砂降りになっていた。授業は三限からに変わったらしい。重畳。


午前六時。パチッジュー。

ベーコンエッグに醤油を三滴。

雲に覆われ雨が降りしきる薄暗い空を見上げる。


…おっと、忘れるところだった。



こちら、朝。今日を始めましょう。

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