第13話
花園先生と打ち合わせがあったあと、俺はアバターのデザインを修正するということを配信中発表した。
描いてくれるイラストレーターの名前は伏せていたが多くのリスナーが期待をかけてくれていた。
配信終了後、俺のパソコンに花園先生から試作品の立ち絵(No.2)が送られた。
俺はすぐに内容を確認する。
そこにあったのは新しい影人闇。
別人ではない。
だが何かが違う。
影人闇がもともと持っていたネクロマンサーのイメージをキープしつつも少し現代味を感じさせる衣装が、今までの影人闇とは一味も二味も違うことを物語っていた。
なるほど、確かにこれならいいかも知れない。
俺のデザインの良かった部分をないがしろにしないで新たなエッセンスを加えている。
最高だ。
『遅くまで作業させてしまってすみません。最高の出来でした。このデザインで作っていただけると有難いです。』
そう俺はメッセージを送った。
するとすぐに彼女から『わかりました。』というメッセージをもらった。
返信速いな・・・
その返信の速さに驚いていると天舞音が帰宅した。
「お兄ちゃんただいま!!どうだった今日の打ち合わせ?」
「うん、上手く言ったと思うぞ、たぶん・・・」
俺は天舞音にそう言いつつも、脳裏に彼女から言われた罵詈雑言を浮かべた。
「あ、そうそうこれ、試作品なんだが・・・」
「あ、私も、さっき千夜先生が送ってくれたんだけど・・・」
両者は互いの新たなイラストを見せ合った。
「え、すごい・・・なにこれめっちゃかっこいいじゃん!!!厨二心くすぐられるね~!!」
「天舞音のほうもヤバいだろ!めっちゃ可愛い・・・特にこの浴衣の柄とか最高じゃん!!」
とにかくお互い褒めちぎった。
「完成したらそれツイッターに投稿しない?たぶんめっちゃふぁぼりつされるんじゃない?」
「あー確かに、一種の宣伝効果になるかもな・・・」
「トレンド入りしちゃうんじゃない?」
「まだ無理だろ・・・さすがに・・・」
「いや~わからないよ~、今は無理でも1年後にはトレンド1位になってるかも知れないし・・・」
「そうなったら嬉しいんだけどな・・・」
そんなすぐに有名になれるんだったらもうなってるよ。
「大丈夫!お兄ちゃんなら絶対できるって!!!」
「そうかもな・・・天舞音に応援されるとできる気がしてきたよ!」
ああ、俺ならできる。
「ちなみに天舞音の新衣装の配信はいつなんだ?」
「確か1週間後かな?開始時間は20時ぐらいだから晩御飯早く済ませなくっちゃね・・・」
「なるほど・・・その日はちょうど俺も新立ち絵公開の配信入れてるからちょっと配信時間ずらしとくよ。」
「わかった。じゃあお兄ちゃんの配信見れるね!!」
「そうだな!」
「てかもうこんな時間か・・・」
時計の針は12時をとっくに過ぎていた。
「そろそろ寝るか?」
「そうだね、おやすみ。」
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