第15話 献音祭開幕



 


 献音祭は、神殿で行われる。



 予選を勝ち残った5組だけが神殿で演奏出来るのだ。



 ゲームでは、クロード殿下、第二王子、ユリウスと、エドワード、そして悪役令嬢であるアンドレアが争う。



主人公レンは、ルートによって各攻略対象者と共に出場する。




 だけど、今回は5人一組。


だって、夢のオールスター見てみたいじゃない?


 煩悩と本能がガッチリ手を組んだ末に出来上がった夢のコラボの完成です。




 フルートを吹くユリウスが美しい!


ユリウスは、可愛らしさから羽化して綺麗が似合う青年へと進化しましたよ。


 ゲームでは、学問一辺倒だったけど、クロード殿下とこどもの頃から議論していくうちに柔軟な考え方に変化していった。


 身体も鍛えてるし。見た目はただ美しい青年ですが、とんでもない策士なので見た目に油断してると痛い目に合いますよ。



 打楽器を担当するエドワードは野性味を帯びたワイルドイケメンに成長した。


 ゲームでは、向かうところ敵なしの俺様キャラクターだったけど、クロード殿下と日々凌ぎを削っているからか、不遜な感じがそぎおとされて包容力のある大人の男になっている。


 彼のパワフルなのに、正確な演奏は私たちチームの音の骨格だ。



 第二王子は、ゲームの時のキラキラ王子様スマイルのメッキがぼろぼろ剥がれてきている。


 私はこっちのほうがなんか人間的で好きだぞ。


彼はこの神殿にあるパイプオルガンを弾く。荘厳なのに人間味のあるあたたかい彼の音が好きだ。



 そして、クロード殿下と私のハープ。


ただただ私の煩悩と本能の強烈タックの賜物だ。


他のメンバーは生暖かい目をして見てた。


 練習も胸焼けがするからと、クロード殿下と二人きりが多かったかな。


 だいたいハープを二人で弾く意味がわからないよね。


でも、絵になるのよ。


 そして、良い匂いに包まれてクロード殿下のガッチリした身体に抱き込まれる多幸感。


 本当に、ただそれだけなのです。



 みんな、最高の仕上がりなのに。


私だけ演奏より煩悩に傾いていて、すまん。





 他の出場者は、圧倒的に王立学院の生徒が多い。


この為に練習を頑張って来たのだろう、素晴らしい演奏に仕上がっていた。



 五組目ラストが私たちの出番だ。


そういえば、主人公レンは誰と組んでも最後だったな。で、悪役令嬢アンドレアはいつも最初。





 私たちの天上に捧げる音楽がはじまる。


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