第8話 攻略対象者達



 王子宮に足を踏み入れた。


 ゲームオープニングで主人公が、迷い混む荘厳なホールがあった。



 大好きな場面だ。ホール中央には、たくさんの楽器がおいてあって、どれを取るかでルートが変わる。私は懐かしく思いながら、ひときわ輝く真っ白なハープに手を触れた。



 主人公がしていたようにハープに触れて音を出した。


 このオープニング懐かしいな。


 主人公は、このハープをクロード殿下とともに練習するのよ。



 クロード殿下が後ろから主人公レイを抱き締めるように抱えながらハープを教えるスチル、神だったわ。



「アンドレア。」



 後ろに、クロード殿下がいた。



「指はこうやって弾くと綺麗な音になるよ。」



 ただ子供同士で楽器を教えあってるだけなのに、なんか、ドキドキする。スチルまでは10年あるというのに、子供のクロード殿下も尊い。



「クロード殿下におかれましては…。」



 きちんと、挨拶せねば。



「アンドレア、今日から学友になるんだよ。堅苦しい挨拶は抜きだよ。他のメンバーも紹介するね。」




 幼い攻略対象者達がめっちゃ可愛い。



 けもみみショタ、いと尊し。


 ふこふこのお耳がぴくぴくしてる。もふりたい。もふりたおしたい。だか、私の獣性が断固拒否してる。運命の番と出会った以上、彼以外触りたくないんだそうな。もふり放題なのに。けちー。



 攻略対象者は、クロード殿下を入れて四人。



 第一王子、クロード殿下。


 宰相子息。


 騎士団長子息。


 そして、側妃が産んだ第二王子、同い年だったりする。


 番に出会わなかった獣人って、ハーレム作ってたりするのよ。



 宰相子息ユリウスはサラサラストレートな銀髪にピンとたった耳、グリーンアイの銀狼獣人。いつも冷静でエメラルドグリーンの瞳がこちらを見透かすようで素敵だったのよ。なのに、今、めっちゃちまっとしていてかわゆいわ。



 騎士団長子息エドワードは刈り上げた黒髪に黒い瞳、丸い小さな耳。珍しい黒豹の獣人。野性的で、カッコいいんだけど、今はやんちゃな悪ガキって感じで、これまた尊し。



 そして、金髪碧眼のキラキラ爽やか王子様がアルバート第二王子。側妃の産んだ王子なんだけど、クロード殿下が耳無しだったから、獅子獣人のアルバートは、王太子候補最有力だったりする。


 文武両道で、ゲームでは一番人気のキャラクターだったけど…。


なんか好みじゃないのよね。ハーレム作るし。



 ゲームのシナリオでは、宰相子息と騎士団長子息とアルバート第二王子が幼なじみで仲良しで、クロード殿下と敵対のしてたけど。



 クロード殿下の味方が増えますように。



クロード殿下、五歳。クロード殿下に可愛いご学友が出来た。


シナリオは確実に変わっている。



ゲーム開始まであと、10年。


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