第128話 里帰り
学園は日本の世界と同じ様に月火水木金土日と7日で1週間としている
そして祝日もあり、ミュウ達の帰省はその祝日と土日の連休を使って帰省している
簡単に言えばゴールデンウィークである
~馬車の中~
「はぁはぁ…緊張するなぁ」
「落ち着いてエイト」
馬車の中、エイトはシルフィの手紙の件で既にミュウの両親に自分の存在が知られている
しかも相手は…
「公爵って…貴族の中でもトップクラスやん」
貴族には公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵の5つの爵位があり公爵はその中でも1番上だ
その為、王族とも交流が深く、一歩間違えれば命は無い。
「エイトさんでも緊張するんですね?」
「正直、シルフィ達と初めて会った時もこのくらい緊張してたよ。」
「なんでだ?エイト?」
「いきなり初対面の人間にぐいぐい来るんだぜ?裏道で何かされそうで怖かったよ。」
アリアン達は不思議そうにこちらを見つめるが、この気持ちはエイトにしかわからないだろう。
今でこそ前世の記憶も含めて、ここまでの関係になっているが、それ以前は初対面であり
会話なんてした事もなかったのだ。
それなのにいきなり話しかけられたら
相手 貴族
自分 平民
住む世界が違う人間なので滅茶苦茶緊張するのは当然である。
「怖いって…私そんな事しないのに…エイト酷い」
「いや、ミュウと初対面の時って言ってるやん」
そう言って頭を撫でる、猫の様にスリスリ擦り寄ってくるのでとても可愛い。
「………シルフィも来る?」
「………みゃ」
シルフィ(猫)がこちらを見つめてくるので手招きをする、するとシュタ!っと瞬間移動してエイトの隣に座り、ミュウ同様、
ごろごろと擦り寄ってくる。
女性特有のフェロモンが尾行に満ちて
心が安らぐ。
「……何やってんだよ、全く…」
やれやれとした顔でこちらを見つめていたアリアンだが、退屈なのだろう
外を見る、外には冒険者や魔物がいて
こちらも気をつけなければと思いながら
眺める。
外には護衛もいるので安心だが用心に越したことはない。
「ああ、やっぱり緊張する~」
「これでも駄目かぁ〜」
「その様ですね、すいませんお力になれなくて。」
いつもの様な事をすれば落ち着くかな?と思いやったが、やはりどうやっても緊張は解けない様だ。
「仕方ないこう言う時は」
と、エイトはこう言う時用の緊張の解し方があるようで、それを言う。
「螺旋階段、兜虫、廃墟の街、無花果のタルト…」
「それ以上は駄目」
「だが断る」
「針串刺しの刑にするよ?」
「…すいません」
空高くある所、天国に行く為の言葉を言って落ち着こうとしたエイトだが、ミュウに怒られたので止める
それ程までに緊張しているのだ。
心臓はバクバクしており、地面に耳を当てたら聞こえるんじゃあないか?と思う程だ。
「そんなに緊張しているなら心臓を握って止めればいいのですよ、エイトさん?」
「シルフィやめて、本当に死ぬから」
「なんかエイトが弄られるの初めて見たな笑」
アリアンのツッコミで小さな笑いが起き、少し緊張が解れる
まだまだヤバいが、多少はマシになった。
「まるで結婚報告みたいだな。」
「エイトったら…フフッ、まだ早いわよあなた♪」
「そうですね、私がなるんですからね?ミュウ様?」
「あ?」
「ああ!もう!ここでやるなよ!?」
とアリアンは怒る。
こんな狭い馬車の中で乱闘されたらたまったものではない、その為エイトが2人を止める。
「はい、ストップ、先ずはミュウの親に会ってから…ね?」
「みゅぅ…わかった」
「かしこまりました」
「昨日の夜にも話したろ?忘れたのかよ。」
「昨日の…ぁぁ」
アリアンはいつも通りに夜這いに来て
行為中に話していたのだろうと悟った。
確かに彼女達が暴走している姿を見せて知ったら絶対にエイトのせいになる。
…間違ってないけど
「皆さん、そろそろ着きますよ。」
馬車の運転手がそう言うと
4人は気持ちを切り替える
此処から先は、もう1つの戦いが始まる。
「気合い入れていきますわよ?シルフィ?」
「かしこまりました、お嬢様。」
「あた…私(わたくし)も大丈夫ですわ。」
「ミュウ様、本日はよろしくお願いします。」
ミュウの両親に会う為に、エイト達は言葉遣いを変える
全ては、幸せな未来を掴み取る為に…
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新たなネタが浮かぶけど
新作じゃないと使えないな(-_-;)
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