私はただ、誰かに愛されたかっただけなのに

プロローグ

　怖い。

　怖いんだ。

　鈴ちゃんに見放されることが。

　必要性をなくされることが。

　嫌われることが。

　私の存在意義は何？

　鈴ちゃんの隣にいる資格あるの？

　好きだ。

　大好きだ。

　だからこそ、束縛してしまうのではないかと怖い。

　鈴ちゃんを私のものにしたい。

　どうにかして、繋ぎとめておきたい。

　ああ、後悔は、私の手で。

　鈴ちゃんが死んだときにするのだろう。

　私は独占欲が強い。

　鈴ちゃんが他人と仲良くしているのは腹が立つ。

　私だけを見てよ。

　ねえ。

　私だけを見て。

　会いたい。

　話したい。

　触れたい。

　キスしたい。

　抱きしめたい。

　鈴ちゃんに溺れてしまった。

　鈴ちゃんじゃないと嫌だ。

　私の玩具（おひめさま）。