ワールドダンジョンキー

甲羅に籠る亀

第1話

 「あーこれからどうするかなー」


 一昨日働いていた仕事先であるコンビニが火事に遭ってしまい仕事が無くなり新しく仕事を求人募集で探しているが働いていた前の仕事よりも良さそうな仕事が見つからなく今は気晴らしに散歩に出掛けている所だ


 「近所じゃなくて遠い場所で探さないとダメってことかねー」


 頭を掻きながら夕暮れ時の道を歩いていると前方からこの暑い時期なのにコートを着てフードを被った人物が歩いてきた


 (こんな夏の時期にあんな格好してるなんて危ない奴か?)


 道を端に避けてコートを着た人物の横を通り過ぎるその時にコートの人物が金属製の何かを落とす音がして下を見ると昔使われていた様な形をした鍵が下に落ちていた


 (危なそうな奴でも鍵を落としたら困るだろうし教えておくか)


 後ろを向いて怪しい人物に声を掛ける


 「そこの人、鍵を落としてるぞ」


 そう声を掛けたが聞こえていないのか振り向こうともせずにコートの人物は歩いてしまっている。仕方なく鍵を拾い届けるかと思い鍵を拾うと鍵がいきなり光り輝きそれに驚き目を閉じる


 「うわっ!!」


 光が収まったのか目を閉じていても眩しく感じたそれが無くなり目を開けるとそこは大きな箱が置かれた部屋の中だった


 「何処なんだこの場所は!何で鍵が光ったらこんな場所に!そうだ!スマホ」

 

 スマホを確認すると圏外で誰とも連絡が取れない。その時不思議な声が聞こえた


 『マイルームの所有者が現れました。所有者をマイルームの主に設定します。……設定が完了しました。所有者の水瀬ミコトのセーブポイントをマイルームに固定します。これからこのマイルームでの生活を頑張ってください』


 いきなりの事に口を開けてポカンとしていると声が聞こえなくなった。もしかして人が俺の事を監視してドッキリにでも掛けているのかとカメラを探すが部屋の中には大きな箱と鍵が掛かっている門の様な扉しかなかった


 「おーい、ドッキリなら早く出てきてくれー!」


 声を出してみるがやはり反応はもうしない。部屋を探し回ったが何もなく最後に箱を確認してみる事にした


 「この箱で最後か……何かこれ以上変な事が無いと良いんだけど」


 箱には鍵が掛かっておらず開けられる状態だった。箱の蓋を持ち一思いに開けると箱の中は暗いモヤの様になっており中の様子は分からない。それに唖然としていると箱の蓋の裏に紙が貼り付けている事に気がついた。紙を剥がすとそこにはいろいろな事が書いてあった


 マイルームにようこそ

・マイルームはポイントにより好きなようにカスタマイズ出来る世界です

・ポイントを使うにはメニューと声に出したり念じてください。その中の購入を指で押すと購入できる物や部屋を作ったりできます。メニューを消す時は閉じると念じるか声に出してください

・メニューにはステータス、インベントリ、購入、換金、鍵、ヘルプがあります

・ポイントは鍵を使い敵を倒すと換金できるアイテムが手に入るので敵を倒して換金しましょう

・その開けた箱はどんな物でも無限に入る倉庫です。使う時は箱に手を翳すと箱に入っている物の一覧が表示されます

・箱の中には鍵を使った先での戦闘や採取に使う道具が入っています

・箱の中の虹色に輝く液体が入っている瓶の飲み物を飲むとポイントが手に入るのでそのポイントを使ってメニューの購入でおすすめの部屋セットを購入してマイルームに新しい部屋を作ってみてください

・マイルームの所有者及びパーティーメンバー、召喚された者は死亡してもセーブポイントで蘇生される




 紙にはこんな事が書いてあった。どうすれば元の場所に戻れるのかは書いておらずとりあえずメニューと声を出して言うと視界にメニューが表示されていた


 「うわっ!ほんとに出たよ」


メニュー

ステータス

購入

換金

ヘルプ


 メニューが表示されたのを確認してこれが夢の中なのか現実なのかは置いておいてメニューを一旦閉じて箱に手を翳すと箱の中の物の一覧が表示された。その中には初心者セットと謎のドリンクが入っているのが一覧には書かれていた。一覧から謎のドリンクを押すと取り出しますか?はい、いいえと表示されはいを押して紙に書いていた通りに謎のドリンクを箱から出すと虹色に輝くドリンクが出てこずに虹色に輝くドリンクが描かれたカードが手元に現れた。手のカードを持っているとカードから出すか表示されてはいを押すと今度こそドリンクは現れた


 「これを飲むのか……」


 虹色に輝くドリンクを手に持って飲むのを躊躇してしまうが意を決してドリンクの蓋を開けて一気にドリンクを飲み干した。ドリンクを飲み干してすぐに身体が熱くなり痛みが走ると倒れてしまいそこで意識が無くなった


 「んっ……あれ、俺はどうしていたっけ……そうだあの紙に書いてあった通りにあの怪しいドリンクを飲んだんだ」


 ドリンクを飲んで倒れてから意識が回復して身体を起こすと服がブカブカになり声が子どもの様な声に変わっていた。なんだと思い手を見るが服が大きく手まで見る事が出来なかった。身体が子どもになっている事に驚きあのドリンクのせいかと思ったがもうどうしようもなくこれからどうしようかと不安が込み上がってくる


 「そういえばどれくらいの間意識がなかったんだ?」


 スマホを確認すると相変わらず圏外だが時計を見てみると十二時間以上意識がなかった様だ


 「うわっ!こんなに気絶していたのか。それで一体どれくらいのポイントが貰えたんだ?」


 ポイントくらいは貰えているかと確認しようと思いメニューを開き購入を押して確認すると購入一覧が表示された


購入

マイルーム創造

武器

防具

アクセサリー

魔道具

道具

家具

娯楽

素材

ポイント残高100000


 ドリンクを飲んで増えたポイントは100000ポイントの様だ。購入の一覧の内マイルーム創造のみが点滅していて押してみると自分で部屋を新しく作る事が出来る他にいろいろな施設やすでに作られている部屋などもポイントで購入出来る様だ。その中ですでに作られている部屋が点滅していて押すとそこにおすすめの部屋セットがあって今あるポイントをすべて使って購入出来る様だ。一応このおすすめの部屋セットを確認するとそれなりに大きな一人部屋でトイレ、風呂、家具付きらしい一応自分で創造や購入の場合だとどれだけするのかが書かれていそれからするとものすごく安く済むのがわかり今のままだと大変な事がわかる為購入する事にした。おすすめの部屋セットを押すと購入出来た様で部屋の扉を何処に設置するのかが表示されて今いる部屋の門から右側に扉がくる様にするといきなり設置すると表示されている画像で決定した場所から扉がその壁に現れた


 「うおっ!こんな風に出てくるのか」


 服を引きずりながら扉に近づき扉を開けるとそこには普通の部屋があった。靴を脱いで電気のスイッチを押して明かりを付けて部屋の中に入る。リビングを確認するとベットとテーブルや椅子、ソファ、タンスがあった


 「思ったよりも広い部屋だな。ベットも大きいし一人で住むには大きすぎじゃないのか?台所も付いているのか」


 台所を確認すると台所には水道や冷蔵庫、コンロがあり棚には皿やコップなんかもあって棚にある引き出しを開けるとスプーンやフォーク、箸が入っていた。蛇口から水が出るのか確認すると水はちゃんと出てきた


 「喉も乾いたし少し飲もう」


 棚からコップを出して水を飲む。水は水道水の様な普通の水だった。それから冷蔵庫の中も確認してみるが中には何も入っておらず製氷機で作られた氷が入っているだけだった


 「氷しか無いか……流石に食料何かは無いみたいだな」


 さっき通った廊下には扉が二つありその内の一つの近くにあるスイッチを押してから扉を開けるとそこはトイレであった。トイレは洋式トイレでトイレットペーパーが複数置いてあった


  「ここの扉はトイレなのか。残りに風呂があるんだな」


 スイッチを切り扉を閉めてからもう一つの扉を開けると洗面所があった。明かりのスイッチを押して洗面所を確認するとそこに棚があり棚の中にはタオルが複数枚置いてあり風呂のあるだろう扉の近くのスイッチを押してから扉を開けると大人が余裕を持って横になれるくらい大きな風呂場で浴槽も大きくゆったり入る事が出来るのが見てわかる


 「かなり大きな風呂場だな。今の俺からするとかなり大きいぞ」


 シャワーも二つありシャンプーやボディソープ、洗顔フォーム、ボディタオル、スポンジなんかもあるのを確認して明かりのスイッチを切って洗面所から出てリビングに行きタンスの中を確認すると今の俺に合うサイズの服や下着が中に入っていた


 「短パンと半袖しか箪笥に入ってないか。まあ、いいか。着るか」


 今、着ている大きくぶかぶかな服を脱いでタンスに入っている服出して着ていく。パンツを脱いだ時に驚きの光景を目にした


 「うお!身体が小さくなっているのにここだけ大きなままだよ!」


 股間のサイズが元のままな事には驚いたがサイズの合う服を着て身体を動かすと先ほどのぶかぶかな服よりもかなり動きやすい


 「この部屋の中を見る限り購入するのは食料くらいだな」


 

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