1人目

 「実際に死ぬのは怖いかな。自分で死ぬというよりかは、勝手にいつの間にか死なないかなあって思ってる。」

 Aさんの「死にたい」は、意図的に死ぬことではありませんでした。不意の死を求めていました。

 「でも事故とか病気とかだと、自分がいつ死ぬかわからないから困る。私は、死ぬ前に自分がこの世に遺すものを整理したいなあ。見られて困るものとか、逆に、これだけは見せたいっていうものが色々ある。あと、死ぬなら、私が考えていたこと全部みんなに知ってもらいたいかも。」

 Aさんは結局、まだ死ねないようです。「死ぬ三日前くらいに教えてほしい」と言っていました。

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