ユメ

身近な他人がいるから生きていられるけど、身近な他人がいるから活きることが出来ない。

俺自身がどこにもいないのに活きられるはずがない。

もしも願いが叶うなら他人の記憶から俺を消して解放してほしい。

もしも願いが叶うなら俺から俺自身の記憶を消してほしい。

このままでは単なるナマモノでしかない。

生きているなら活きていたい。

自分を活きていたい。

独りになりたい。

自分だけの自分になりたい。

他人だけの自分をやめたい。

自分の為の自分になりたい。

他人の為の自分をやめたい。

バカでいいから一瞬でも自分になりたい。

誰からも尊敬されなくていいからたった一人の自分になりたい。

自分を変えられるのは自分自身しかいないならば、自分自身がいない俺は何にも変われない。

他人に助けを求めたことはない。

他人に助けて貰う資格はない。

他人を助けて感謝されるのが痛い。

他人が俺を誉めるのが痛い。

なぜ感謝される様な事をしていないのに感謝されるのか?

なぜ当たり前の行いが称賛されるのか?

普通の事をするのが痛い。

この世でたった一人、俺をわかってくれる存在は一番近くにいる俺自身の筈なのに、俺自身がどこにもいない。

存在を消せるなら消したい。

俺を消せるなら消してほしい。

俺にも他人にも誰の心にも残らない様に俺の存在を消してほしい。

叶わぬ願いは子供時代からの欲望ユメとして心を締め付ける。

劣等感を抱いたっていい。

蔑まれたっていい。

凄くなくていい。

ただ、自分が欲しい。

それが叶わぬなら消えたい。

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