本当に、すべては終わったと言えるか?

第34話 本当に、すべては終わったのか?

 この事件自体は、既に32年前の話。

 当時大学生だった人も、おおむね50代となった。

 確かに、この事件は法的側面からの解決はされた。

 姫路市の教育行政は、司直によって断罪もされた。


 だが、本当に、この事件の全てが終ったのか?

 自分自身がこの事件を、他人事(タニンゴト)として一笑に付せるか?


 そのことは、私たちに今なお、鋭く問いかけられている。

 登校拒否なんて言葉はすでになく、不登校という言葉がそれに代わった。

 文部科学省も、それはあり得ることとして認めた。


 だからと言って、この事件を単なるあだ花として笑い飛ばせるか?

 あだ花に払った代償は、生命(ひとのいのち)だった。


 そのことを、私たちは決して忘れてはいけない。

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