時間探偵R

海 潤航

第1話 嫉妬がネアンデルタール人を絶滅に追いやった!  

私たちは現生人類という呼び方をし、学術名をホモ・サピエンス・サピエンスという。


ホモ・サピエンスの分類にはクロマニョン人、ロシア・アルタイ地方のデニソワ人、中国の上洞人や日本の港川人など地域性の強い集団も含まれる。


彼らは、今の人類と区別するため旧人と呼ばれる。


旧人は40万から30万年前にアフリカを出発し、新人は20万年前から10万年前に現生人類に進化した後、6万年前にアフリカを離れて世界に広がった。


現生人類は、先行して進化していたクロマニョン人、デニソワ人、中国の上洞人や日本の港川人たちと交代をしていったのだ。


ホモサピエンス(現生人類)の前に進化していたのがネアンデルタール人である。


これからの話しは学説が多く、様々な異論が展開されているので一般的な話しを中心にしていく。


ネアンデルタール人が絶滅した理由


ネアンデルタール人は2万数千年前に絶滅をした。(最新の学説は4万年前)


なぜ絶滅をしたか色んな説がある。


1.ホモサピエンスがネアンデルタール人を滅ぼした。


2.ホモサピエンスとネアンデルタール人は混血をして独立した生物類としては消えてしまった。


3.ギュンツ亜間氷期の期間に、対応できず自ら滅んだ。


それぞれ主張があるようで、決められてはいないが、混合型が一般的のようだ。


ホモサピエンスはアフリカから発生しており、本来はすべて有色であるのだが、ネアンデルタール人との混血により、白っぽい皮膚、金髪や赤毛、青い目などいくつかの白人(コーカソイド)的な特徴はネアンデルタール人から受け継いだ可能性が高いとしている。


つまり、西洋人は本来有色だったが、ネアンデルター人と混血したので白人になったという説である。


ネアンデルタール人の特徴


ネアンデルタール人の身長は165cmほどで、体重は80kg以上と推定されている。体格は非常に頑丈で骨格筋も発達していた。ネアンデルタール人の脳容量は現生人類より大きく、男性の平均が1600cm3あった(現代人男性の平均は1450cm3)。


知能は変らないといわれているが、ホモサピエンスより知能が高かった可能性もある。


ただ、NHKの番組で言われているように、現生人類と比べ、喉の奥(上気道)が短い。このため、分節言語を発声する能力が低かった可能性があり、言葉によるコミュニケーション能力が低かったかもしれない。


容姿だが顔が大きく、特に上顔部が前方に突出して突顎である。上顔部は現生人類の白人(コーカソイド)と同じか、さらに立体的(顔の彫が深い)である。


更に、高緯度地方は日射が不足するため黒い肌ではビタミンDが不足してしまうこと、およびDNAの解析結果より、ネアンデルタール人は白い肌で赤い髪だったとの説がある。ウィキペディア


これらの特徴を併せて想像すると、ネアンデルタール人は頭がよく物静かな、アーノルドシュワルツネッガータイプの人であったと思う。


ネアンデルタール人というと猿人を想像している人も多いが、ホモサピエンスより進化していた可能性が高い。


ネアンデルタール人


旧人類の復元というと、必ずゴリラみたいに描くものが多く、1888年時点の最初期の復元図は、原人的特徴を強調しすぎとの批判もある。


ネアンデルタール人の少女の頭蓋骨からの最近の復元図が公表された。


柔らかい髪と白く穏やかな顔が描かれている。たぶん、この復元図のほうが本物に近いと思われる。


またホモサピエンスの画像を探すと、白人に髭もじゃの顔が出てくる。


しかし白人的特徴を獲得するのは、かなり後になってからである。


最初はみんなアフリカから出発しているので、全て肌の色が濃く、いろんな条件の元で肌の色の特徴が出来たとされている。


つまり、いろんな人類の復元図は、故意に想像が入りあんまり信用できないという事である。


何故ネアンデルタール人の種が消えていってしまったのか。


私の推理である。


私はホモサピエンスがネアンデルタール人を滅ぼしたと思う。


その理由は、ホモサピエンスとネアンデルタール人が交配可能だったという事だ。


賢いといっても、旧石器時代の事である。争う理由はそれほど見当らない。


ネアンデルタール人は体も大きく、白人の特徴を持っている。


個体としては頼りになる存在と見える。


遅れてやって来た多数のホモサピエンスの女性は、ネアンデルタール人男性と交配を重ねた。


それは無理矢理ではなく、愛情(生殖本能)があって、ネアンデルタール人に近づいていったのではないだろうか。


アメリカでの研究で「筋肉質の男性の方が性交渉の相手を得やすい」という結果が出たという。


その理由として、テストステロンという男性ホルモンの一種が作り出す体臭に女性は惹かれやすいからだという。


もちろんそれだけではないと思うが、見た目の逞しさは、心理的に女性に強いアピールがあるのは事実のようで、それは現代でも同じだと推測できる。


また、男性の心理として保護本能というのがある。


身体的にはか弱いホモサピエンスの女性は、ネアンデルタール人男性の保護本能を強烈にかき立たせる存在であったのかも知れない。


ネアンデルタール人と現代人


しかし、ホモ・サピエンスの男性から見れば、このカップルは最悪である。


当然動物の本能として、子孫を残すためメスの奪い合いは熾烈であるし、命がけである。


なので、ホモサピエンスの女性がネアンデルタール人とSEXするのを見て、ホモサピエンスの男たちは、逆上し嫉妬したに違いない。


最近の研究では、今日の非アフリカ系の人々のゲノム(全遺伝情報)の最大3%がネアンデルタール人由来といわれている。


現生人類が受け継いだネアンデルタール人の遺伝情報の総和は、最近の計算によれば20%にはなると考えられている。


男の嫉妬


ネアンデルタール人絶滅の原因は、ホモサピエンスの嫉妬である。


嫉妬は狂気を生む。


ホモサピエンスの女性を孕ましたネアンデルタール人は、すべて殺害されたのだ。


ネアンデルタール人は身体能力が高い上に知性もあるが、武器の製造や戦いの知略はホモサピエンスの方が上である。


ネアンデルタール人とクロマニヨン人の道具を比較すると、明らかにネアンデルタール人の方が殺傷力が高い。


なので、オスとして能力の高いネアンデルタール人は、皆殺しの対象にされていったのだ。


女性を巡る争い


一人の女性に固執したために、国を滅ぼした王の話は多い。


エジプトのクレオパトラ、唐の楊貴妃などとすぐに思い出す女性もいる。


日本では、織田信長の妹お市や、その娘茶々なども傾国の女性と言えるだろう。


ヨーロッパ文明は、他の有色人種の文明と明らかに違う。


その根源がネアンデルタール人絶滅にあったと思う。


白人は有色人種を差別したがる。


いまだに人種差別はなくならない。


特に黒人の人達を目の敵にする。


例えば、黒人スポーツ選手は白人のモデル風の女性と結婚しているケースが多い。この場合強烈な嫌がらせが頻繁に行われているという。


人種差別がなぜ起こるかという問題に、テリトリー意識の場合や極端なナショナリズム、劣等感の裏返しなど心理学でもいろんな原因が唱えられている。


もしかしたら、遠い石器時代に、ネアンデルタール人たちを見た時の、嫉妬の炎をいまだに持ち続けているのかも知れない。


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