第10話 初めての依頼クエスト
みなさんこんにちは。ヒナタです。
今日は冒険者ギルドに来て依頼を受けたいと思います。
なんせ昨日、殺した強姦魔から強奪してスキルも増えたからね。
名前:ヒナタ
種族:人族
年齢:15歳
職業:魔法使い
HP :136/136(+15)
MP :282/282(+17)
スキル:水魔法LV5
風魔法LV6
火魔法LV5
土魔法LV5(+1)
無限収納
威圧LV4
毒霧LV1
毒耐性LV3
麻痺耐性LV2
気配察知LV4(+1)
気配遮断LV2
ユニークスキル:強奪
新たに気配遮断を手に入れた。
強奪した気配遮断は私の気配察知よりレベルが低いから昨日は気がつく事ができたのかな。
とにかく、このスキルも有用だ。
積極的に活用してレベルを上げていこう。
冒険者ギルドでは何人かがヒソヒソと私を見ながら話している。
影口とか言われてたら傷つくなぁ。
依頼ボードを見ると、たくさんの依頼があった。
【常設依頼 薬草採取、ゴブリン討伐、角ウサギ討伐】などなど。
それ以外にも、【オーク討伐、オーガ討伐、ワイバーン討伐】がある。
Eランクの私には、受注できる依頼があまりないので、常設依頼を受けようかな。
「この常設依頼の薬草採取、ゴブリン、角ウサギ討伐を受けたいんだけど」
私は受付のセレナに向かって聞いてみた。
「はい、常設依頼はご自由に受けていただいて構いません。ゴブリンの討伐証明は魔石になります。胸のあたりにあるので剥ぎ取ってきてください。角ウサギは肉も毛皮も売れますのでそのまま持ってきていただければギルドとしても助かります」
親切に教えてくれてありがとう。
セレナさん。大好きです。
「うん、分かった。じゃ、行ってくるね」
「お気をつけて!」
さて、私は森にやってきたが、ゴブリン、角ウサギは気配察知で警戒できる。
でも、薬草は自力で探すしかない。
気配察知で常に周囲を確認しながら、薬草採取に取り組んだ。
さすが初心者用クエスト。しばらく歩いたらすぐに見つかったよ。
ここは、群生地なのか?
たくさん採ってもいいけど、他の冒険者に悪いから遠慮しておこう。
さて、薬草も採り終えたし、さっきからこちらの様子を遠くから窺っているゴブリンにでも挨拶してくるか。
気配察知で丸わかりだよ。
私は気配遮断スキルでゴブリンに近づいた。
木に隠れながら、少しずつ近寄って行き、
この魔法は便利だな。
最近は魔力の出力調整も出来ているみたいで、これくらいならほとんど魔力も消費しないから300発は打てそう。
倒したゴブリンは8匹で私は短剣でゴブリンの胸の中から魔石を取り出す。
さて、次は角ウサギ探しだ。
森をさらに奥へ歩き始めると、角ウサギが一体こちらに向かってきていた。
ちょっとここらで、短剣の練習でもしようかな。
私は腰に据えていた短剣を持ち角ウサギに構えた。
「キュン!」
こちらに角ウサギが向かってきたので、躱すように避けながら短剣で斬りつけた。
「きゃぅ…!」
角ウサギの首付近を斬りつけたが、どうも致命傷にならずこちらを睨んでいる。
よし、次は刺してみよう。
先ほどと同じ要領で向かってきた角ウサギを避け首を狙って力一杯短剣を刺した。
そしてその場で角ウサギは死んだ。
よかった。これだけ近距離で戦ったのは久しぶりだったからちょっと危なかった。
……なんて安心していると、背後から急にナイフが飛んできた。
「え、なに!?」
気配察知のおかげでギリギリ回避できた。
どこから飛んできた?
急に背後から殺気を感じたから避けたけど、その殺気もすぐに離散した。
もしかして何かに狙われている?
すると、再度別方向からナイフが飛んでくる。
「危ない!」
なんなんださっきから。
敵は何人いる。
気配察知に集中する。
すると急に気配を左方向後方から感じた。
私はすぐに敵と思わしき人物がいる方向に、
姿が見えない以上、広範囲に攻撃を仕掛けるしかない。
「ロックショット!」
いくつかの木々が倒れて悲惨な状態になったが、それに埋もれてマントを羽織った男が血だらけで倒れていた。
私はすぐに駆け寄った。
「……死んじゃったか」
なんで私を狙ったかとか、情報を聞き出したかったけど私の命には変えられないね。
よし、とりあえず強奪スキルを使おう。多分私が欲しかったスキルを持ってそう。
名前:ヒナタ
種族:人族
年齢:15歳
職業:魔法使い
HP :136/136(+15)
MP :282/282(+17)
スキル:水魔法LV5
風魔法LV6
火魔法LV5
土魔法LV5
無限収納
威圧LV4
毒霧LV1
毒耐性LV3
麻痺耐性LV2
気配察知LV5(+1)
気配遮断LV2
隠密LV4
ユニークスキル:強奪
よし! 隠密だ!
やっぱり姿が見えなかったのは隠密スキルのおかげか。
これがあれば暗殺とかに向いてるもんね。
いや、私はしないよ。ただこれからの魔物討伐でめっちゃ使えそうじゃん。
あと、気配察知スキルもレベルが上がった。
多分さっきの戦闘中に上がったんだろうね。
最初は殺気しか感じなかったけど急に敵の気配を感じたし。
とりあえず暗殺者に殺されそうになったから、このままここにいるのはまずいよね。
この暗殺者を連れて街に戻ろう。
あ、角ウサギの回収もしとかなきゃ。
街に着き門番の衛兵さんに事情を説明し、私は冒険者ギルドに向かった。
そしてセレナのところに行き薬草、ゴブリンの魔石、角ウサギを売却した。
「ヒナタさん、無事に帰ってきてくれてよかったです。さっき話を聞いて取り乱しちゃいましたよ……」
セレナは目に涙を滲ませながら私に言ってきた。
「心配してくれてありがとうね。この通り大丈夫だから、安心して」
セレナさんはいい人だな。
私のために泣いてくれるなんて……。
「そういえば、ギルドマスターがヒナタさんに2階の部屋まできて欲しいって言っていましたよ」
「……わかった」
なにかしたかな。
暗殺者に命を狙われるほどのことって相当だよね。
もしかして私が犯罪に手を染めているとか思われているのかな。
そんなことないよね。
セレナにギルドマスターの部屋に案内される。
「ギルマス、ヒナタさんをお連れしました」
「入ってくれ」
セレナに合図され、部屋へと入る。
そこにはギルマスと思われるおじいさんと領主のフィリップがいた。
え、なんで領主が冒険者ギルドにいるの?
「失礼します。ご無沙汰してます、フィリップ様」
礼儀正しくお辞儀をし、挨拶をする。
「あ〜、構わん、楽にしてそこの椅子に座ってくれ」
私は、用意されていた椅子に腰掛けた。
「君がヒナタさんだね。私はウルレインで冒険者ギルドマスターをやっているガレオという。よろしく頼む」
「こちらこそ、セレナさんにはお世話になっています」
「さて、君を呼んだのは、他でもない。昨日に続いて今日も命を狙われたということで、なぜそのようなことになったのか話そうと思ってな」
「それについては、私から説明しよう」
話に入ってきたフィリップから説明を受ける。
「ヒナタさんが昨日捕まえた連中は、ここ最近この街で人攫いをしていた組織の一味だ。あいつらは、女子供を攫い他国に奴隷売買をしているみたいだ。このサンドラス王国では奴隷制度が禁止されているから、他国で商売としてやっているみたいだ」
なるほど、そういえば昨日襲ってきた男の1人が奴隷にするとかなんとか言ってたっけな。
「君が昨日、ギルドで戦った男もそれに関与していたみたいでな。本当に恥ずかしい限りだよ。今までも何人かの女性冒険者が行方を眩ましていたが、まさかランツが関係していたとは思わなかった」
なるほど。あのおっさんの名前はランツというのか。どうでもいいけど。
とりあえず報復のために私を襲ったけど、返り討ちにあって、今度は別の者が暗殺者を仕向けたという感じかな。
「なるほど、事情はよくわかりました。それで私を呼んだのは?」
「君はまだ命を狙われているかもしれない。そのため、警戒をしておいて欲しいという注意喚起をしたくてね」
「なるほど、確かにそれは危険ですね。夜道とかは1人で出歩かないようにします」
心配してくれたんだな。確かに今のところはなんとか撃退できてるけど、私よりも強い人がきたら危険だしね。あまり自分の力を過信しない方がいいよね。
「それで、このままだと君だけでなく街の住民にも被害者が増えることになる。なんとしても奴隷売買組織を見つけ出し、殲滅する必要があるのだ」
ギルマスが私をみながら言ってきた。なんか嫌な予感。
「君はまだ冒険者になったばかりだが、6人の男達に囲まれても、暗殺者に狙われても、それを撃退する力を持っている。それに冒険者になる前に討伐難易度Bランクのポイズンスネークも倒していると聞いている」
嫌な予感が的中しそう。
「そこで是非、君にもこの街にいる奴隷売買組織の殲滅に協力願えないだろうか。もちろん報酬も支払うし、冒険者ランクもDランクは約束する」
やっぱりか〜! この話の流れは、そうだよね。
でも、この街にそんな組織があるなんて聞いちゃったらほっとけないよね。万が一にも私のサーシャちゃんが攫われたらと思うと……。
「ヒナタさん、無理を言っているのは分かっている。だが、この街の治安維持のため協力してもらいたい。この通りだ」
フィリップ様が頭を下げてきた。それに続きギルマスも頭を下げてくる。
これって断られないように誘導されているよね。大人って怖い。
「はぁ〜、わかりました。私も毎日警戒しながらこの街にいるのも嫌なので協力します」
私は呆れながらに返答する。
「「感謝する」」
その後は奴隷売買組織殲滅のための作戦会議を3人で行い、夜遅くにギルマスに連れられて宿へと戻り眠りにつくのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。