page.6 ニライカナイ【Documents/C】

【発生日時・発生場所】

 1970年5月25日。沖縄県座間市ライブハウス■■。


【事件内容】

 インディーズバンドがオリジナル曲“ニライカナイ”を発表。直後、ライブハウスに居た全員が謎の失踪を遂げる。

 “神殿”の事件以降に生まれた若者たちが失踪者の多くを占めた。“神殿”の際に米軍に同行した研究所職員による追跡調査が功を奏し、行方不明者のうち一名を確保。以下、救出された行方不明者の発言内容を記録する。

わんや違う。わんや違う。わんや違う」

「まよいこんだ。よばれてなかった。違う」

「ころしてくれ」

「仲間を■■してる」

 すでに精神が不安定になっており、それ以外の発言は聞き取りが不可能だった。


【容疑者】

 実行犯として原住民。主犯として■■■■ー。■■■■ーの関与が推測された時点でDocuments/Cとしてカテゴライズ。


【処分】

 米軍との合同作戦によりライブハウスでの事件発生を事前に予防。各家庭での歌唱・演奏は予防が難しかったものの、1970年の年末までには同様の曲は歌われなくなった。

 救出した行方不明者に発信機を装着した上で精神病院に収容。失踪した行方不明者を追跡した結果、与那国島沖合の海底遺跡近辺で反応が消失した為、大量の土砂と放射性廃棄物とダイオキシン類を使用して周囲のサンゴ礁ごと埋め立てを行った。


【経過】

 海底遺跡埋め立て後、現在に至るまで“ニライカナイ”が演奏された形跡はない。現代では動画サイトでの配信がリスク要素として推測される為、他の芸術系異常事件の再発予防を兼ねて配信サイトの確認・規制という形で対応。


【担当者追記】

 なまじ死なない異常存在は、いつでもチャンスがあると思い込むだけに、死をいとわない人間によるなりふり構わない手段であっさり封じ込められる可能性がある。奇捜研に迎え入れる人材に『良心の欠如』『共感力が低いあるいは無い』『恐怖・不安に鈍感』などの特徴を持つ人間を一定割合含めるべきだと提言する。

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