【雌鬼】こんな場所に居られるか!俺は今すぐ帰るぞ!※ネタバレしろ【にじこん/鬼公方アラヤ】 そのに

 物音の正体を確認するため、流れるように単独行動を強いられる主人公。そんなわけでここから本格的にアラびきくんを操作していくわけだが、


「こんなんどう見てもキラー側のお披露目イベントやん」


チャット▼

・お約束とはいえ何故自ら分断されたがるのか

・そりゃキャラクター視点だとまだ何も起きてないし

・飯食ってセックスしてセックスしてセックスするために館を買ったわけだからな

・わざわざ山奥を選ぶあたり、みるくは絶対エグい性癖してるわ

・お屋敷丸ごと使って捕まったら即レイプ鬼ごっことか絶対やるでしょあの女

・な、なんて羨ましい奴なんだ許せねぇ……!


「君らはみるくに何か恨みでもあるの……?」

 

 まだ遭遇してないとはいえ、やってることがほぼほぼ雌鬼のそれなんよ。

 ゲームじゃまだほんの数回しか喋ってないのに、リスナーのせいでみるくだけやたらと濃いキャラクター像が完成しつつあるな……。


「まあ取り敢えず探索するわ。皿か何かが割れたような音だったし、厨房か食堂探せばいのかな?」


 通路は一本道で、鍵の掛かった部屋がひとつ。そのまま進むと、予想通り広々とした食堂に行き着く。やたら長いテーブルに蝋燭が等間隔で配置された、アニメでよく見かける貴族の食事風景と言えばパッと浮かぶようなデザインだ。


 ──そしてここに何かありますよ、と言いたげなこれ見よがしにキラキラと光る床。

 警戒しつつ、まずは何もなさそうなところから念入りに周囲を探索。……奥に厨房への扉があるが、現状では鍵が掛かっている。アイテムは特になし。どうやら取得物なりテキストなりが存在するのは目印の付いてるポイントだけらしい。


 わぁ~親切だなぁ~。見落としは許さないから最後までヤれという製作者の善意と悪意を一緒くたに感じるぜ畜生。


 そして最後に残った床の調査ポイント。……まあここでは何も起きないんですけどね! どうせ割れた食器か何かで、後々謎解きに使うんでしょ? 知ってる知ってる。


アラびき「お尻が割れている……!」▼


 割れたお尻を手に入れた▼


「なんだ、ただのケツか」


 …………。

 

「なんて???」


チャット▼

・自分で言って困惑するの草

・何か問題でも?

・可哀想に、こんなにパックリと割れてしまって

・尻もよう割れとる

・割れてない尻とは一体……

・さあ始まったぞ、からのこれホント好き


「ええ……何かめっちゃ気ぃ抜けるわ……。これなら猫とかの方がまだ緊張感あったに゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!?」


 アイテム取得のダイアログを閉じた瞬間、眼前にいたのは──お口がバキュームになった『第四の使娘シコ』と『奇行種搾り巨人』のハイブリッドみたいなパッションピンクの化物。そいつが躍動感たっぷりでプレイヤーを追い掛けて来る!


「馬鹿女郎お前この姿で名前が雌鬼は逆に詐欺やろがい!」


 絶対もっと悍ましいナニカだよこれは!


 ああクソ油断した! 嘘だろこちとらまだ鍵の一個も手に入れてないんだぞ、ここで来るとは思わんやろ!? それに何なのこの軽快な不協和音みたいなBGMは、頭おかしくなるわ!


チャット▼

・うるせえ!(ベロキス)

・鼓膜がイッたわ

・処女鼓膜破れちゃった……

・あーこれはヒトオスくんの耳舐めがないと治らないやつだわー

・今オホにゃん通った?(※教育番組に登場する濁音系パペット。司会のお義姉さんと一緒に正しいオホ声の出し方を教えてくれる)

・鳴き声クッソ汚くて草

・お゛ぉ゛ん! み゛ぃは今のでアクメ三杯はイけるに゛ゃあん!

・ヒトオスがネコなのは解釈一致ですわ

・ネコミミ付けてにゃあにゃあ鳴けオラッ♡


 今お前らに突っ込んでる余裕ないから……!


「ってかこれ何処に逃げればいいんだよ、回避ポイントは!? まだここしか探索してないんだが!? ととと、とりあえず引き返すか……?」


 食堂のテーブルをぐるぐるとチェイスしながら逃げ道を探す。厨房、開かない! 通路に引き返して鍵の掛かった扉、アウト! ならこのまま玄関に──、


 何かの力によってこの先には進めない……!▼


が……駄目っ……! ここに来てゲームシステムによる妨害っ……通行不能……!


「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛許さんぞ謎の壁ぇええええええええ!!」


 そのまま引き返すどころか急加速した雌鬼に追い付かれ、空洞になった虚ろな眼窩のひょっとこ顔がドアップで迫る。先端の吸引口が徐々に大きく広がっていき……やがて全てを覆い尽くし暗転。


 画面が戻ると──通路には何事もなかったようにアラびきが倒れているだけとなっていた。

 目覚めた彼は困惑したように周囲を見回し、


アラびき「い、今のは夢……? そうだ、みんなは!?」▼


 そして自動で玄関ホールまで引き返し、誰も居ないことを確認して行動再開。

 つまりこれは──、


「きょ、強制敗北イベント……」


チャット▼

・お気付きになりましたか

・絶対に捕獲シーンをプレイヤーに見せるという覚悟

・上手い人だと一度も捕まらず逃げ切る可能性あるからね


「だからって登場の仕方が卑劣過ぎない? あいつわざわざメッセージ枠の下で待機してただろ」


 主人公ではなくプレイヤーを狙い撃ちした演出とか、ゲームシステムが全力で敵やんけ……。セーブや所持アイテム確認する度に気になっちゃうじゃん。そういう不安を植え付けるのが狙いなんだろうけどさ。


「そんで結局このケツは何なのよ」


 用途が不明なのもそうだけど、こいつだけ存在が異彩を放ちすぎでしょ。


チャット▼

・そりゃアイテムだし使うんでしょ

・使う(意味深)

・実際これが具体的に何なのか誰も知らない

・クッションなのかそれともインテリアなのか……

・私は雄ケツマウスパッドみたいなもんだと思ってる

・諸説ある


 ……俺からすると正直オナホとしか思えないんだけど、この世界でそんなもの作ったらヒトメスのヘイト買いまくって大炎上だろうから、そもそも誕生の余地がないんだよな。つまりこれは極めて健全なケツということになる。


「よし、今からこいつのことは『くるみ』と名付けよう」


チャット▼

・草

・ぬいぐるみと一緒にすんなw

・名前に悪意というか、みるくみを感じるぞ


「くるみはみるくの腹違いの妹なんだけど、互いが姉妹であることを知らないままハウスメイドの募集に応募するんだ。みるくは自分が世界で一番可愛いと思っているタイプの女で、自分と似た容姿のくるみを気に入って採用。やがてくるみは自分たちが余りにも似た者同士であることに疑問を持ち、こっそり調べてみると二人の母親はそれぞれ同じIDの精子バンクを購入したことが判明するんだ」


 行動範囲が拡大されたはいいが、探索パートは意外と間が出来るのでリスナーと一緒に『くるみ』の設定の掘り下げを行う。


「とはいえ生き別れの姉妹というわけでもなし。この話をみるくに伝えるべきか否かを迷っていると、たまたま休日に私服で過ごしていたくるみのことを、卓丸がみるくと間違えてしまう。男に恥を掻かせてはいけないと思ったくるみは、咄嗟にみるくのフリをしてその場をやり過ごすことに成功する」


 しかしこの一件によって、彼女の中にある考えが浮かぶようになる。

 自分が本気でみるくの真似をすれば、雑魚オスはそれに気付けない。もし上手く立ち回ることが出来たら、自分が彼らを抱くことも可能なのでは……?


「ということが本来この館で起こる筈だった──かもしれない」


チャット▼

・ドロッドロで草

・家性婦はシた

・結局誰か死ぬでしょそれ

・エロドラマなのかサスペンスなのか……

・その内みくるとか出てきて更に拗れそう

・アプデや続編で実装されたらどうすんのよw


 うむ、何だか若干ゲスい設定になってしまった気がするが、ちょっとくるみに愛着が湧いてきた。探索のお供が出来たぞ、やったぁ!

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