第130話 この腕の中の愛
あたしには『愛』がある
この『愛』を抱えて
また歩きだそう
もう
迷いという名の休息はおしまいにして
腕の中にある『愛』を見つめてみる
この腕にあることを
忘れてしまうくらい長い間
ずっと大事に抱きしめていたものだから
皺が寄ってしまって
少しだけ古ぼけて見えるけれど
まだちゃんと温かくて
しっかりと重さもある
そんな、あたしの『愛』
小さな一粒の種のようだったものが
こうして大きくなれたのは
あたしに
愛の息吹を吹き込んでくれた人たちが
いるから
だから
これからも大切に
この腕にこの胸に抱えていく
あたしにはこの『愛』がある
だから大丈夫
これからも歩き続けて
いつか、きっと
きみがいる草原を見つけてみせる
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