第75話 28年

どれだけの時が流れたとしても

癒されることのない悲しみもある


どれだけの季節が巡っても

消え去らない痛みもある



忘れられない

忘れたくないものがある


忘れてはいけないものがある



忘れない


いつまでも寄り添っていたい



あの日の悲しみに

あの日の痛みに


出来ることが何も無くとも


いつまでも

いつまでも

忘れない


あの朝からの

気が遠くなるほどのたくさんの悲しみを



それでも

それらを乗り越えて

育まれた希望の花を

枯らすことなく

この胸に抱いて


忘れることなく歩いていく




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