第21話 表と裏と光と影

森の中で

ひっそりと息をひそめていたなら



悲しむことはなかったのかな


辛いものを見ることもなかったのかな


間違えることもなかったのかな


元に戻りたいと思うことも

なかったのかな



傷ついた、っていうのは言い訳で

あたしが誰かに傷をつけたことも

あったに違いないんだ






静かに静かに

小さく丸まっていたなら

こんな苦い思いを知らずに済んだのかな







ああ、でも、

それでは、

きっと







喜びを知ることも無かっただろうけれども







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