第16話 時の粒がこぼれていく
「どんな人にも
時の流れだけは平等だよね」
あの時
あなたが言った言葉は
間違ってはいなくて
その通りだと思うのだけれど
あなたが隣にいた
あの時の1分と
あなたを失った
今の1分は
あたしにとっては
あまりにも違いすぎて
この重く長い時の流れの中で
過ごしていくのは
辛くて悲しすぎて
さらさらと
あたしの手から
時の粒がこぼれていくのです
まるで砂のように
まるで雫のように
掴まえようとしても
掴まえられない
時の粒たち
あの時
あなたの隣で
この粒を掴まえて
時を止められたなら
良かったのに
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます