第28話 ワン-サイディド ポイント オブ ビュー
ある日のこと
優しい仮面をつけた悪魔が
やって来た
豪華なプレゼントをもって
優しい口調で語りかける
何故そんなに優しいのか?
理由は、2つ
嫌われてしまうのを恐れているから
おとなしそうに見える
ひつじを食い殺そうとしているから
優しい仮面をつけた悪魔が
普段話す言葉は
身の毛もよだつ恐ろしいもの
何か声をかけようものなら
たちまち怒り狂う
プライドをへし折られたと思うから
自尊心を傷つけられたと思うから
欲しいものは、称賛のみ
そんなものなら、
いつでも渡せる
取り繕って集めれば良いだけだから
そんなものなら
ただし、そこからは永久に
抜け出せない
けれど、ひつじは思った
悪魔の話す言葉が
何故そんなに恐ろしいものなのか
其処には、
誰も知らない深い森がある
孤独感、ジレンマが
叫び声となり
恐ろしい言葉に変わる
ひつじに近づいたのは
食い殺すためではない
自分の中にある同じ心を求めて
彷徨っていただけ
優しい仮面のその下には
悪魔がいて
皮を脱ぐとひつじがいた
そして、悪魔は知らない
出会ったひつじが皮を脱ぐと
悪魔である事を
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