第3話 終わりの日と、始まりの日 その2
翌朝、ギリギリで出社して部長のデスクへ。
「約束通り、退社させていただきます」と辞表を差出す。
色々引き止められたが、部下を守れないところでは働けませんと押し切った。
紆余曲折あり、3月末退社でまとまった。資格持ちが年度末にいないと不味いのは理解できるので受け入れた。溜まっていた代休消化と有給消化で、明日から出社しなくて良くなった。年度末まで在籍すると、退職金規定で満額出るからと伝えられたのも大きかった。
最終的に、次長まで出てきて説得されたが、余分な業務の為ろくに休みも取れないせいで婚約破棄されたことや、3課長他他部署長の狼藉を全てぶちまけて帰ってきた。
後悔はしていない。
自課の人間が使えないからと言って、他部署の私に直接依頼するのは社内規定に反すると断っても誰も助けてくれなかったからだ。
さあ、年末年始どおしよおかな〜
昼前に、総務課の同期の荻野くんを訪ねた。
「3月末で退社することになった。退職金、概算でいいから金額教えてくれる?」
絶句する荻野くん。
「さ、五月さん、どとどどうして」
復活したと思ったがまだ可笑しい。
「お昼ごはん、一緒にどうかな、同期都合つくのを集めておくから」
あ、復活した。
「引き継ぎがあるから、仕事上がりからの方が良いかな」
「じゃあ、6時に駅前の『焼き鳥一番』で」
「オッケー」
先程、支社長に呼ばれたので、足早に支社長室へ、当然引き止めは断った。
支社長は、私の他課での業務ヘルプを知らなかった。何度も文書で改善要求していたのに上には届かないんだね。
改善すると言ってくれたが、婚約破棄の原因になった仕事は続けられませんと泣き叫んだら納得してくれた。
午後からは、引き継ぎ。でも、私の仕事、資格のせいもあって誰もできないんだよね。普段から業務チャートとマニュアルつくってあるから、資格者雇ったら渡してくださいでおしまい。
5時まで暇になった。
作者注 猫カフェが出てくるのは、もう少し先です。
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