『異世界イミテーター』〜元いた世界の知識を使って、この異世界に革命を〜

空花凪紗~永劫涅槃=虚空の先へ~

第一部 異世界画家編〜クリムト好きの異世界転生〜

プロローグ

「あなたは転生しました」


 え……ここはどこ?よく見えない。そして温い。私は、美大の帰りで、確か駅前の交差点を横切って……。


「あなたは死んだのです。上城雪菜さん。いえ、ソフィア・アシリアさん」


 ソフィア・アシリア?なによそれ。


「あなたの新しい名前よ?あなたには神より使命が与えられたの」


 神って……。それに使命?私なんかに?


「ええ。イミテーター。異世界にもあなたの世界で生まれた芸術作品を残してほしいの。それがあなたの仕事」


 イミテーター?模倣者ってことかな。


「その通りよ。あなたはアイデアの才能こそ発揮しなかったけれど、芸術、それも絵画に関しては類稀なる知恵がある。それに技能も一流。だから神はあなたをイミテーターに選んだのよ」


 そんなの、私なんかに務まらないですよ!


「いえ。あなたならできるわ。頑張ってね」


 ちょっと、待って!


 でも、だんだん思考が揺らいで行って、気づけば私は産声を上げていた。

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