エイルの挑戦状11 ゾロ目企画
11回目もプロット指定そしてゾロ目記念企画です。
毎月突破されるたびにネタを変えて開催です。今回、突破阻止に本気です(笑)
なおネタ提供よろしくお願い申し上げます(≧∇≦)b
エイル公認タグは エイルの挑戦状 です(*^_^*)使用は自由ですよ(≧∇≦)b
細かいルールと他の参加者様の作品は企画アドレスを、下記に掲載しますのでご確認し楽しんで来て下さい。
【エイルの挑戦状11】
2023年7月ゾロ目企画 https://kakuyomu.jp/user_events/16817330659711218403
私は世界的な大手というかハンバーガー業界では世界一じゃないかというほどの日本支社で商品開発を担当している。
それで上司から今回厳しい指示を受けた。コストカットして極限まで原価を下げた商品を作る。
簡単そうだけどこれが難しい。だって安いということは品質もそれなりになる。具体的には安い食材を簡単な調理で作ることになる。
調理に時間をかければそれだけコストアップつまり人件費が必要になる。だから安い食材を早く調理して、そんな手抜きなのに当然ながら売れなければ意味がない。
「どんな矛盾点した指令なのよ・・・」
そもそもハンバーガーって肉を使うからコスト高いのは仕方ないでしょうよ。
「どこまで簡略化してハンバーガーと認められるかしらね?」
もうこの指令を無理やり拒否するために限界にチャレンジしようと思う。そこでとりあえず試作室のキッチンに向き合う。
「安い順食材うーん、やっぱもやし?」
バンズをもやしにしてヘルシーとかはどうか?
もやしを塊にするの面倒くさい。これはやりたくない。
「面倒くさいわね。もうそのままもやしで挟めば・・・いや細くて挟めない・・・ハッもやしでもやしをサンドすればよくね?」
二本のもやしで1本のもやしを挟む。これで調理完了。火も通さないし調理時はもやしを掴む時間くらい。爆速で完成するし原価は1円以下だろう。
よし。これで後は売れればいいんでしょ?こんなインフレ時代に真っ向から反する商品などないと証明してやろうじゃないの。
まずは上司にプレゼンをして選考を経て商品化される。つまり無茶苦茶言いやがった上司に遠回しに無理って言ってやるためのプレゼンを考える。
理論武装は唯一つめっちゃ売れるから世界中のもやしを買い占めて3本50円で売る。めっちゃ儲かるよってそんな感じである。却下間違いなしだって売れる理由がない。
「そんなわけでめちゃくちゃ売れるので買い占めて下さいませ(*^_^*)部長の責任でよろしくお願いします」
「ほぉ、もやしを何もしなくて3本50円で売れると?舐め取るのか?」
「極限まで、コストカットした結果です。言った通り味付けもなしですが人間は思っよりも野菜が好きだと思うのです」
「そこまで言うなら盛大な社会実験やってやろうじゃないか。世界中のもやしを一本残らず買い占めてやろう」
あれ?なんか上司な部長の目がマジなんだけど、この人ブランドとか分かってる?大丈夫じゃないでしょ?確実に炎上するって!!
「あっいやそのブランドイメージとかは・・・」
「話題性があればなんとかなる。これで出世する足がかりにしてくれる!!」
「私は責任取りませんからね!!指示を守って商品提案しただけで、通したのは部長ですからね!!」
「逆にこれだけやれば世界を取れるワイルドカードになるだろうさ。我は日本支社で終わらず世界を取るからな」
こんな人が本国の本社で社長とかなったらやばない?知らんけど。
そして世界中のもやしを買い占めた。これはすぐにテレビやネット伝話題になり新商品には否応なしに期待が高まった。同時に莫大な資金をいくら安いもやしとはいえ、世界中から全て1本も残らず買い占めるとなると必要なはずで、部長の一存でどうやって動かしたかは不明だけど、赤字になると市場では思われたらしく、株価は過去最低を絶賛更新中である。
具体的には、値動きは真下へ急転直下毎日取引停止まで秒で下がる。
「異物混入とか産地偽装とか、消費期限偽装よりも株価下がるってどゆこと!?」
私は昼休みの情報番組が流す新商品予想やら専門家の予想やらを見ながら思わずツッコミを入れた。なおそのままのもやし3本で売る。という新商品のスタイルは全く当たってなかった。
「当たったら逆にビビるけどさぁ。だってやべぇもん」
悪ふざけなのにこんな大事になってしまうともう他人事である。この日の午後2時発売で度肝を抜かれるだろうけど、見る勇気はない。色々と諦めてどうにでもなれと、次の真面目な新商品開発のためキッチンへ向かったのである。
暫く味の調整とかソースの材料やら悩んでいると、電話がかかってくる。
「やだなぁ。でもシカトは出来んか。・・・はいもしもし」
『本当に提供もやし3本なんですか?』
どうやら現場がビビって確認してきたらしい。
「そうそう。もやしでもやしを挟んでそれでオッケーです」
『はぁ、もやしでもやしを挟んでハンバーガーとして売るのですか?』
「そうです。簡単でしょ?どうなっても私は知りませんが」
『あってるなら良いです。それでは販売します』
電話を終える。
「いや、売るんかい!!止めろよ!!」
私の虚しい呟きは独りのキッチンできえてしまう。その後マジで販売されると大半の人は買わないかと思いきや、怖いもの見たさや、まさかのもやし3本は嘘だろと買ってマジだったwwwと案外に売れた。
かなり炎上してるし、もやしを買いすぎてまだまだ原材料費分すら売れてない。
2日目には興味本位な人も減り売り上げは地を這うほど少なくなった。こりゃ部長終わったな。そう思って私は次の商品開発してもやしを忘れることにした。
本当に忘れかけた2週間ほどして、もやしバーガーが気になりちょっとネット検索してみた。
そこには驚きの声がネットに溢れていた。
『ヤバいもやしの野菜炒め食べたい』『もやしラーメンが世界から消えるなんて悲しすぎかと思ったら5000円で提供されてて食ってしまった』『ヒ○○ンが大量注文してもやし麺のラーメン食ってる動画みてもう耐えられんちょっと○○○行ってくる』『もやしなくても平気と思ったがそうでもない。もやしは野菜炒めに必要不可欠○○○行ってくる』
やべぇよ。だってよく見たらトレンドがもやしバーガーと○○○行ってくるが世界を席巻してる。
そして気になって株価を確認してみると爆上がりしてもう壁のようなグラフである。上がり幅も上昇%も値上がり速度も世界記録らしい。V字回復どころかU字回復である。
「どうやって世界からもやしを一本残らず買ったのか謎すぎる」
そんな私の疑問はどこ吹く風で、もやしを3本50円でぼったくるチェーン店となり、めちゃめちゃ儲けてるらしい。なんか独占禁止法とか平気なのか気にはなるけどどうやったのだろう??
そこにニュース速報が流れる。内容は○○○のもやしバーガーが販売期間を3ヶ月から1年間へ延長というものだった。
「なにやってんの!!世界から恨まれない??」
「おー居た居た。世界一の収益率を叩き出したし君は明日から本国の副社長な。もちろん俺が社長だ」
どこからか現れた部長がさらっとなんかヤバい事言う。
「あのー、拒否権は??」
「そんな物は必要ないだろう。世界を股にかけた仕事を出来て給料は世界でもトップクラスだ。何が不満なのかね?」
こいつ頭大丈夫か?しかも絶対に無理やり社長の椅子奪ってるよ。ついでに副社長のも取ってきてるし。
「そんな器じゃないと言いますか、経営とか分からないと言いますか・・・」
「大丈夫だ。経営とかアイディアだから。あとは気にしなくて良いのさ。ハハハ」
絶対に違うと思う!!そんな私の抗議は黙殺されて強制的に副社長にされた。贅沢したし何も仕事なくても許された。
何しろもやしバーガーで○○○の百年分の利益を3ヶ月で売り上げたらしい。一年やったから私のアホみたいに高い給料払っても余裕でお釣りが来るらしい。
「なんでこうなった??」
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