第8話 守る覚悟、そして・・

「パシッ」

「ズパアッ」

戦いと言ってもソーゼスが一方的に攻撃しているだけ。

サーニは防戦一方。


「どうした?これでは俺には勝てんぞ」

「僕は剣を持ったことがないからこれが普通だよ」

「お前の力はこんなものではないはずだ!」

「僕はそんなにすごくないよ」

「俺を見くびるんじゃない」

「お前の中に強さを見たからお前と戦いたくなったんだ」

「そうでなければ兵士たちをあっさり返すわけなかろうが!」

「そうなの?」

サーニは問いかけた。

「ああ。倒しに来た相手を俺が簡単に逃がすはずがない!」

「俺は兵士には用はない!戦いたいのは強いお前とだ!!」

強いと言われて悪い気はしないが強いと思われる事に頭の中では「?」がうず巻いているサーニ。


「う~ん」

しばらく考えた後、サーニは「僕は戦うのは嫌いだよ。でも、大事な人を気付つけるつもりなら全力で立ち向かう」

ソーゼスとの戦いでサーニの心に火が付いてきた。

サーニの「守りたい!」という気持ちが表に出てきた。

サーニの言葉を聞いてソーゼスは笑みを浮かべた。

「それでこそ俺の認めた男だ」

「お前とはい戦いが出来そうだ」

「どちらかが倒れるまでの戦いがな!」

「国ではみんなが待ってる?から僕は倒れないよ」

「なぜ、疑問形なんだ・・」

「ま、いいか。俺も倒れるわけにいはいかないから全力で迎えうつ!」


今までお気楽に過ごしてきたサーニがこの時、初めてといっていいほどの笑顔を見せた。

ネリカにも笑顔を見せた事はたくさんあるが、ネリカに見せる笑顔とは別の意味での笑顔。

この戦いがサーニを変える?のかは分からないが、あきらかに何かが変わろうとしている。

サーニの覚醒はこの時だ。


ニヒルではネリカ以外、普通に生活しているがネリカだけはサーニの事をずっと心配し続けている。

「王子様・・どうかご無事で」

ネリカは王子様の無事を祈る続ける!

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