ある日の不安

なにをするでもなく

ただじいっとしていると

なにかに取り憑かれたように

胸がひとりでに苦しくなる

頭の中を幾つもの記憶が飛び交い

黒く深く身体をむしばみ

気づくと頬に垂れている

  手を動かせ、足を動かせ

   脳をまわせ、鼓動を打て

さすれば雨も止むだろう

なにもないからいけないのだ

あれば心は痛まない

取り憑かれやしないのに

またクツクツと胸が笑いはじめる

  手を動かせ、足を動かせ

   脳をまわせ、鼓動を打て

またクツクツと胸が笑いはじめる

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