第43話 大陸の動乱、その3
エルフ族の少女をベッドに寝かして少しして少女が目を覚まし。
「んん・・・・あれ? 此処はどこ?・・・・」
様子を見ていたローランが。
「此処は私たちの仮の家よ。貴女は森の中で岩に足を挟まれて倒れていたので連れて来たわ」
少女が立ち上がろうとしたが足が折れているのでベッドに倒れてしまい、申し訳なさそうに。
「助けて頂きありがとうございました」
ローランが。
「足が折れているみたいね、擦り傷もあるから治癒魔法を掛けるわね」
ローランが治癒魔法を掛けると青白い光が少女を包み光が収まると骨折は治り他の顔や腕の傷も綺麗になっていたのです。
動けるようになった少女は立ち上がつて。
「助けてくれたうえに怪我まで治していただきありがとうございました。あのぅー、私たちの国はどうなりましか」
「・・・・私が言うより見た方が良いわ」
ローランが少女を外に連れ出すと焼け野原になった国の跡地を見て。
「何もなくなっているわ・・・・・・・・」
家の外にいたトムたちが少女に気が付き。
「もう大丈夫なのか?」
ローランが。
「貴女を助けて、エルフ国を襲っていた帝国軍を全滅させたトム様よ」
「えっ?帝国軍を全滅させたのですか。それでエルフ族はどうなったのですか」
ジエルが言いにくそうに。
「亡くなった人も多いけれど助かった人も沢山いるわ。助かった人たちはあの大きな建物の中にいるわよ、詳しい事は助かった人に聞くと良いわ」
少女はトムたちに礼を言うのも忘れて大きな建物に向かって駆け出して行ったのです。
少女の後ろ姿を見たサリーが。
「顔をみていないけれど見た事ある子みたい。それにしても礼も言わないとは、余程皆が心配みたいね」
ライザーがイライラして。
「それにしても、エルフたちはどうするか決めるのが遅いな。獣人国が心配なのに」
皆も獣人国が心配なのでジエルも。
「此処は此のままにして獣人国にいきましょうか」
サリーが。
「私はエルフ族とひたしいので様子を見て、今日中にどうするか決めないと、獣人国の応援に行くと言って来るわ」
暫くしてあの助けた少女と2人の男性のエルフ族が来てトムに面会を求めて、トムに会うと少女が。
「サリーから聞きました。トム様、エルフの国を助けて頂き、ありがとうございました。私はエルフ族の王女のササリン・ファーミラと申します。先程は我が国を救ってくれたフォーク国の王と知らずに礼も言わずに申し訳ございませんでした。その上、同族の揉め事で獣人国の応援を遅らせてしまい重ね重ね、お詫びもうしあげます」
「それでどうするか決まったのか?」
「それが、わが国の守り神だった神木を焼かれて、神木のある地は他に無いので困っているのです」
「ん?神木なら俺の国に植物王の神木があるぞ」
ついて来たエルフ族の男性の1人が。
「本当ですか。本当なら私が強固にこの地を離れるのを反対していましたが、神木のあるトム様の国に移住させてください。
「移住すると言う事はフォーク国の国民になるが良いのか?」
ササリン王女が。
「エルフ国と言ってもエルフ族は子供が出来にくいので国民は少なく、他の国からみたら村見たいなものなので、それに帝国に半分くらいの国民が殺されて、残っているのは千人位になりました。ですからトム様の国の国民として安全に暮らしたいです」
先程の男性が。
「私も姫様の言う事に賛成です。どうか私たちエルフ族を受け入れて頂けませんか」
「分かった。君たちを受け入れるよ」
こうしてエルフ国は無くなりエルフ族はフォーク国の住民になる事になったのです。
サリーがエルフ族を空間魔法でフォーク国に運ぶことになり、トムたちは獣人国の応援に行く事にして、初めての場所なので移転出来ずライザーの背中に乗って獣人国に向かったのです。
獣人国の上空に行くと国の半分位がワイバーンのブレスで焼かれていたのだ。
その20匹のワイバーンに背中にトムたちを乗せたままライザーがブレスを吐き半分を焼き殺し、トムが聖魔法剣で切り殺したのです。
ワイバーンを全滅させて地上に降りると、獣人族が集まって来てその中の虎獣人が。
「ライガー王国から派遣された者か?助けてくれて礼をいう。わしは国王のザガード・ガリバーだ」
獣人国の王と名乗ったザガード・ガリバーはトムたちをライガー王国から派遣されて応援に来た者と勘違いしているみたいで、ライザーが。
「失礼な事を申すな、ライガー王国から派遣された者がこんなに早く着くはずが無いだろう。此処にいる方がフォーク国の国王トム様だ」
「ん?フォーク国??・・・・・・あっ!・・・・この間、建国の招待状が来ていた国か・・・・申し訳ない。まさか建国したばかりの国から助けが来るとは思わなかった。ん? もしかして、ワイバーンを焼き殺したドラゴンは、あなたか?」
「そうだが、我が主のトム様が半分は切捨てたがな」
「何と! 新しい国の国王はドラゴンを従えてワイバーンを切り捨てる実力者なのか! 」
「そうだ、我の主様はフォーク国の国王トム様だ。我の主様に対して頭が高いわ。」
ライザーに睨まれた虎獣人のザガード国王は顔を青くして。
「申し訳ない! 帝国に攻められていたとは言え。建国のお祝いの言葉を送らず・・・・・・又この度は危ない所を助けて頂き感謝する。ひとまず顔合わせをしたいので陣屋に来てください」
ライザーの脅しが効いたのかザガード国王自ら案内したのだ。
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