第40話 バロン帝国
此処は大陸の8割を分断している山脈の北側にあるバロン帝国の帝都サバリンだ。
その帝都を見下ろす丘の上に立っている帝城は黄金を惜しげもなく使った城で、城は夕陽を浴びて赤い黄金色に輝き平民は畏怖を感じ、貴族は高揚感を感じる不思議な城なのだ。
その帝城の皇帝の間の上座の黄金と宝石を散りばめた豪華な椅子に座っているのはバロン帝国のロバノ・バロン皇帝だ。
皇帝の間には4人の将軍が頭を床に付くくらい平伏してロバノ皇帝の言葉を待っている。
ロバノ皇帝が。
「皆の者、面を上げよ。第4将軍エルフ国の征服に時間が掛かっておるが後どの位でエルフたちを征服出来るのだ」
「はい、あと半年もあればエルフ族全員を奴隷にすることが出来るでしょう」
「遅い! 遅すぎるのだ。半分の3か月で征服せよ」
「ハハッー! 承知致しました。全力で降伏させます」
「第3将軍、獣人国はどうだ・・・・」
「はい、獣人国の半分は手に入れましたが、残りの半分を手に入れる為に戦っている所です」
「左様か! 獣人国は兵士が多く強いが後、半年で降伏させよ」
「ハッハー! 承知致しました」
「次に第2将軍奴隷の首輪の完成はまだか?」
「試験には成功いたしましたが、時々誤作動して奴隷を殺すので改良中です」
「左様か、奴隷を死なせては困るのでくれぐれも慎重にな」
「はい、そのようにいたします」
皇帝がイライラした様子で。
「第1将軍はまだか?・・・・・・・・」
側に控えている者が。
「第1将軍のバンダイ様は新しく配下に付けた4人を陛下に紹介するために少し遅れると連絡がありました」
「新しい配下か・・・・・・・・」
暫くすると第1将軍が新しい配下4人を連れて入室して。
「陛下、遅れて申し訳ございません。後ろに控えているのが私の新しく配下に加えた4人です。 お前たち陛下に挨拶をしなさい」
「私は、魔剣士ソンダイです。宜しくお願い致します」
「私は黒魔法使いのスブスです。宜しくお願い致します」
「闇槍使いのガルシです。宜しくお願い致します」
「死神鎌使いのカバラです。宜しくお願い致します」
「何と! 黒魔法は攻撃魔法の中で最強と聞いておるが全員、黒魔法が使えるのか?」
第1将軍のバンダイがニヤリと笑い。
「はい、そうです。この者たちは私が鍛え上げた黒魔法を使う最強の戦士たちです。必ずや陛下の望みの大陸全土を征服する為の役に立つでしょう」
「バンダイは心強いのうー。皆の反対を押し切って雇ったかいがあったわ、ワッハハー」
「流浪の私を拾い上げ主席将軍に抜擢してくれた陛下に恩を返す為にこれからも陛下為に命を捨ててでも尽くす所存です」
「皆の者、聞いたか! バンダイに負けぬ働きを期待しておるぞ、今日は此処までだ。解散せよ」
全員が皇帝の間から出て行ったが1人残った皇帝が幼少の時から使えている老人が。
「陛下、あの者を信用して大事な事を任せても良いのですか?採用してまだ1年なので信用しすぎでは・・・・・・」
「爺は心配し過ぎだ。あ奴に任せて戦った戦いは連戦連勝で、わしが諦めていた大陸の制覇が夢ではなくなったのだぞ」
「はい、確かにそうですが、監視していた者からの報告によると魔法とは違う妖術を使い、敵を1度に数百人を殺していると聞きましたので、もし陛下を裏切った時を考えると・・・・・・」
「アッハハー、本当に爺は心配症だな、先程も
奴がわしの為に命を捨ててでも尽くすと言ったであろう、心配いたすな」
「年を取るとどうも心配事が多くなるので・・・・・そろそろ引退を考えないといけない次期かもしれません」
「引退するのはわしが大陸を制覇してからだ」
「やれやれ、では老骨に鞭を打って働くといたします」
その頃、トムから帝国の偵察を命じられた鳥人族のバースは配下を従えて小鳥の姿で千里眼を使い城内を偵察していたが、見覚えのある4人を見て、身体は以前と違い逞しく身長も違うが顔を見た事があるので、城を出た5人の後を付けたのだ。
城を出た5人は街はずれの黒く高い塀に囲まれた外からは見えない、屋根にはカラスが数羽止まっている屋敷に入ると、何と! 姿が身長は2mくらいで口は、大きく裂けて中は真っ赤で鋭い牙が生えていて肌は黒く背中にはカラスのような黒い羽根を持つ姿に変わったのだ。
バースは5人の余りの変わった不気味な姿に驚き、近づいて観察しようとしたが、突然屋根にいたカラスが襲ってきて小鳥姿の配下が飲み込まれた。
バースは他の配下と急いで逃げ出して、何とか近くの森の中に逃げきれたのです。
バースが帝国に潜入して分かったのはロバノ皇帝が全大陸の制覇を目指して戦いを始めてエルフ国、獣人国の侵略を始めている事とその為に奴隷の首輪を作り、人族以外の種族を奴隷兵にしている。
最後に見た事もない不気味な姿の5人がいた事だ、余りにも姿が変わっていたので、その中の4人が勇者候補の鷹の爪パーティーのソンダイたち4人の変わった、生きる死霊だとは気が付かないバースなのでした。
その後もあの5人を何者か調べようとしが、5人に近づくと必ず獰猛なカラスが現れて襲って来るので、1度は森の中に誘い込み本来の鷲の姿になり、1匹をトムから移し与えられた氷結のブレスで凍らして倒したが、街の中では目立ってしまうので、偵察をこれ以上続けるのが難しく、断念してフォーク国に戻ったのである。
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