第4話 冒険者ギルド兼(元)酒場『スコッチレイク』

 くもりのない晴天せいてんらされるミルガルド王国おうこく繁華街はんかがい

人通ひとどおりのおお繁華街はんかがいなかでも、とく繁盛はんじょうしているおみせがあった。


それがここ、


冒険者ぼうけんしゃギルドけんもと酒場さかば『スコッチレイク』』



ここでは、様々さまざま目的もくてきっておとずれる、たくさんのおきゃくでごったがえしていた。


友人ゆうじん飲食いんしょくするためにおとずれたきゃく


さくなバーテンダーの店主てんしゅとの会話かいわ交流こうりゅうたのしみにきゃく


日銭ひぜにもとめてクエストをけに冒険者ぼうけんしゃ


ゴブリンなどによる田畑たはたのモンスター被害ひがいなやまされ、みせにモンスター討伐とうばつクエストを委託いたくしにきた農家のうかのおじいさん。


自身じしん腕試うでだめしと武者修行むしゃしゅぎょうのためにクエストをけに武闘派冒険者ぶとうはぼうけんしゃ


レアな交易品こうえきひんをたくさん採集さいしゅうしてくれる、採集さいしゅうハンターにクエストを依頼いらいしたい商人しょうにん




などなど、なんでもござれだ。





ただひとつだけ、この酒場さかばには、おおくのきゃくもとめているのに、はいらないものがあった。





「かぁ~っ、このところゴブリン討伐依頼とうばついらいのクエストがいっぱいはいるが、ちょっと賞金しょうきん安過やすすぎるぜ!」


「ゴブリン1匹いっぴき20ゴールドって…。1日中いちにちじゅうゴブリンをっても、たいしたかせぎにもなりゃしねぇ!」


「なら、下級かきゅうワイバーンでもってみるか?下級かきゅうワイバーンなら、一匹狩いっぴきかれば500ゴールドはもらえるぜ。」


「ダメだダメだ!ワイバーンをるにはアーチャーの協力きょうりょく必須ひっすだが、あいつらガメつくて、依頼料いらいりょうふっかけてきやがる!赤字あかじになっちまうよ!」


「じゃあオークは?」


「オークはなぁ…。危険度きけんどわりに、賞金しょうきん安過やすすぎるんだよなぁ…」






「ねぇねぇ、ちょっといてよ。」


「どうしたの?」


「このまえさぁ、「ドラゴンをたおすのなんて、楽勝らくしょうだ‼」、なんて豪語ごうごするナイトにさそわれたから、わたしパーティに加入かにゅうしたんだけど、」


「そのナイト、ドラゴンどころかゴブリンをたおすのがやっとで、それでオークがてきたらさ、スタコラサッサとげちゃったのよ。アーチャーのわたしいて。」


「うわぁ…。最悪さいあく…」


「もうそのときわたし、オークのわりに、そいつの背中せなか弓矢ゆみやってやろうかとおもったわ。」






けない友人ゆうじんとの他愛たあいない雑談ざつだん


クエストにったとき悲喜交々ひきこもごも体験談たいけんだん


そんな、いつもの昼下ひるさがりの、


冒険者ぼうけんしゃギルドけんもと酒場さかば『スコッチレイク』


に、一人ひとりおおきなふくろかかえたきゃくはいってきた。





(第5話に続く…)








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