第51話【隔週刊トワイライトゾーン抜粋記事】
「現代のアステカか!? 坑道広間に設置された生贄の祭壇」
件の大量殺人事件の恐怖が冷めやらぬ中、衝撃の新事実が明らかになった。事件発見者の発表によると、坑道内の広間には何やら大掛かりな〝台座〟のような者が置かれていたという。そして、その台座には物々しい拘束具が取り付けられ、周囲には多数の白骨が散乱していたそうだ。
事実であれば実に恐ろしい話である。十四世紀に栄えたアステカの生贄祭壇を彷彿とさせる光景である。アステカ祭壇といえば、数年前に未知の墳墓が発見され、その周囲には頭蓋骨で建てられた塔、スカルタワーが設置されていたことは記憶に新しい。
また、祭壇が存在するということは、そこに信仰の対象が存在したということを意味する。村では一体何を信仰していたのか。この凄惨な事件の裏には一体どのような真実が隠されているのか。発見者は警察の聴取が済み次第、近日中に動画を公開すると発表。詳細が待たれる。
【同雑誌抜粋記事】
「犠牲者の怨念か!? 富地米村に響き渡る謎の咆哮」
先日、村ぐるみでの大量殺人が発覚した富地米村。その騒動の渦中の村にて、またもや新たな騒動が巻き起こっている。
事件後、多数の報道陣や野次馬が押しかけたことは既に知られている通りであるが、その際に謎の唸り声の耳にしたとの報告が多数上がっている。ある人物は男の雄叫びのようだったと証言しているが、またある者は大型動物の咆哮のようであったと主張している。
だが、現地に居合わせた全ての人物がその咆哮を耳にしていること、そしてその咆哮に腰を抜かす者がいる程に迫力を伴っていたという点は共通している。筆者も現地でその咆哮を耳にしているが、まるで大型の熊が身近に迫っているかのような総毛立つ程の恐怖を感じた。
体長四、五メートルはある人型の何かを目撃したという証言もあるが、真偽の程は定かではない。だが、この富地米村は、かつて鬼が住まうとされていた地である。あながち全てが虚構であるとは断定できない。
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