第497話研修医

今日の夕方、喘息の発作で夜間外来を受診した。

ロビーの長椅子に2時間程座って診察を待った。

冷たい水を飲んだら、少し呼吸が楽になっていたが、タンが絡んで呼吸苦はある。

看護師の簡単な問診と、熱と血圧を測り診察を待つこと50分。

若い男性医師が僕の名を呼ぶ。

診察室で、聴診器を当て呼吸音を聴く。

「今、喘息の症状は治まっていますね」

と言ったので、

「夜中に苦しくなるんです」

と、答えると、

「現時点では、お薬は出せません」

「メプチンもですか?」

「はい。夜中、発作が起きたらまた、来て下さい」


コイツ、何言ってんの?

苦しいから病院に来たんじゃん。タンも絡むし、咳もしてるのに。

ネームプレートを見た。もし、何かあればこの医師の責任だと言えるために。

……!コイツ、まだ研修医だった。

もう、別に怒ってはいないけど、メプチンくらいは出して貰いたかったなぁ。

時計を見ると、3時間病院にいて、薬も貰えず帰宅し、咳き込んでいる。

明日は、工事の立ち会いだから仕事終わりに病院行けないんだよなぁ。

研修医より、呼吸器内科の専門医に身を委ねる事にする。

今夜、一晩、喘息との戦いだな。


本日の読み切りエッセイ、これまで!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る