第407話英語のセンセイ

高校2年の時の英語のセンセイは、福岡教育大学卒の27歳臨時職員だった。教え方が下手で何を言っているのか解らないので、隣のクラスの英語の授業のノートを写していた。

こいつ、それだけではない。

性格も悪かった。

色んな場面で、自分はセンセイであることを威張っていた。

ある日の授業中、「ベトナム戦争は豊富な火薬量で、アメリカが勝ちました」と、説明した。

僕は我慢がならずに、

「センセイ、ベトナム戦争はアメリカが撤退しましたよ!」

「ウソだ!羽弦!昼休み職員室に来い」と言う。

言われた通りに、昼休み時間に職員室に行くと、2人で地歴公民職員室へ行く。

そこで、センセイがベトナム戦争について説明を聞いた。

世界史の教諭が、東西冷戦下の戦争でアメリカが撤退した!と言うと、センセイは、

「だろ?羽弦!」

と言って逃げるように部屋を出ていった。

コイツ、自分が間違えたくせに。

僕は一部始終を仲の良い、地歴公民教諭たちに説明したら、だから臨時しかなれないんだよ。って言っていた。


その後、英語のセンセイは福祉施設に就職が決まり、学校を去ってから行った。

心に残る、クズセンセイである。

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