敬愛するヒーロー様へ

よくある昔の話です

学校の帰り道

友人との何気ない会話

ありがちな病を患った僕らは

もしもの話をよくしたもんで

もしも 学校が爆発したら

明日からは遊んで過ごそう

もしも 右手が疼いたら

嫌味なあの子に復讐しよう

もしも ヒーローが死んだら

僕もすぐさま後を追おう


そう言って笑ったんだ

僕は

ところがどうだ?

学校は爆発しなかった

右手が疼いたら腱鞘炎だ

もしもは空想に終わった

そう、ヒーローが死んだってこと以外は


あぁヒーロー

あんまりだ

ヒーローに救われた命

簡単に捨てられるはずないじゃないか

ヒーローはいつだって身を削る

傷だらけになってそれでも、って

ヒーローが自堕落なら良かったのに

自分優先、いのちだいじに

でも、ヒーローは自己犠牲の精神

そんな貴方だから惚れたんだ

やっぱりヒーローひどい人だ

もっと貴方の活躍が見たかった

僕の願いは打ち砕かれた


せめてフィクションの中では救いを

ヒーローはみんなの想いの力で復活しました。

なんて嘘を、歌わせて

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