魔力0の俺と魔女の「 」 ~俺はいつまでも彼女を忘れない~
小熊ネコ
第1話★
序章
――――――思わず、言葉を失った。
時間はお昼を過ぎたあたり。場所は学園の屋上。
この場所は本来、立入禁止となっているが、扉には鍵がかかっていなかった。
それでも、普通の生徒ならば特に気に留めず、ましてわざわざ入ろうとはしないだろう。
ただ、その屋上から歌が聞こえたのだ。
それは透き通るような歌声だった。
実際は分厚い天井が俺とその声の主とを隔てているはずなのに、直接脳に響いてくるようなそんな声だ。
本当に歌が上手いというのはこの声の主のような人のことをいうのだろう。
もっと近くで聞いてみたい。
自然とそんな感情が出てきた。
そのため、その声に引き込まれるようにして俺は屋上への扉を開けた。
すると……、
思わず言葉を失った。
目の前には、同じ制服を着た一人の少女がいた。
腰あたりまで伸びた黒髪が夏の熱風に吹かれてたなびいていた。しゅっとした顔立ちは可愛いというより綺麗という言葉が彼女を表現するのに適しているだろうか。街中で十人の人が通りすがりに彼女を見れば、まず間違いなくそのうちの九人は振り返る。そんなまぎれもない美少女だった。
俺は彼女に目を奪われていた。
これは、少し不思議で甘酸っぱい俺と「 」との物語。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます