第28話 爵位授与、陞爵

 ていうか私なんかこの国で相当神格化されてない?この国のほぼ全員がニシゾノ神教に入ってるからそりゃそうなのかもしれないが、別に私は神でも何でもないただの日本人なのだが。

 まあそんなことはいい。こちらとしても支持率が高いほうが動きやすいし、何かこれによって不都合が生じているわけでもないし、とりあえずは今のままで大丈夫だろう。


 ところで、この国も結構経済発展してきたわけだが、貴族が他国に比べて少ないのだ。国の要職についている大臣の人たちもほとんどの人がいまだ平民。相当頑張って手柄を挙げている人もいるのでそろそろ別の人たちにも爵位を与えようと思う。

 そして、フィネメイゼを伯爵へ陞爵させようと思う。フェルイツも陞爵させたいのだが、それは次回に取っておくことにする。一気に2人陞爵は個人的にやめた方がいい気がするんだよね。特に理由はないけど。

 

 新しく爵位を与えるのは経済大臣のメッペイフとフィネメイゼの補佐をしているリッペン、そして郵政大臣であるリフレインの3人だ。

 最近、フィネメイゼの負担がとてつもないことになっているのに気が付いたので、前側2人はフィネメイゼの負担軽減の為でもある。もともと2人とも大臣ではあったのだが、爵位がないために動きにくかったようだ。そのためフィネメイゼに頼っていた部分があったらしい。

 こちらも郵政大臣のリフレインはこの前の地主の件と言い、非常によく頑張ってくれているので文句なしだろう。配達員や手紙のチェックをする人など、相当多くの人をまとめる腕前は私も参考にしたいところがある。




「面を上げよ。メッペイフ、リッペン、そしてリフレインの3名に子爵の位を授ける。メッペイフはメッペイフ・ヘルメース、リッペンはリッペン・アルキストス、そしてリフレインはリフレイン・ベレロポーンと名乗るように。」

「「「ハッ!陛下の為、国の為、そして民の為により一層尽くすことを誓います!」」」

「では、今後も国のために頑張ってくれ。」


 私一応女性だから女王みたいな感じなんだけど、小説の国王って男性ばっかだったからどうやって話せばいいかわからないんだよね。どうしても男性のしゃべり方になっちゃう。


「続いて、フィネメイゼ・アルキメデスの陞爵へ移る。フィネメイゼ子爵は大臣の中でも最も量が多く、大変であった仕事を自身の体調が悪くなるまで行った。できれば私は体調が悪くなる前に休んでほしいのだが。しかし、その働きには目を見張るものがあり、国のために尽くしてくれているフィネメイゼ子爵を伯爵へと陞爵させようと思う。異論のある者はいるか?」


 もちろん異論などあるわけがない。大臣からはこの国の最高権力者はフィネメイゼみたいに見えていただろう。基本的に他の大臣への連絡はフィネメイゼを通して行っていたからだ。

 その働きは皆知っているわけだ。

 しかし、予想とは異なり、伯爵への陞爵に対する反対意見が出た。


「申し上げますが陛下、フィネメイゼ子爵の活躍から見るに伯爵では足りないのではないのではありませんか?」


 その言葉に一斉にこの場がざわつく。


「静かに。」


 そうか、私は伯爵で行くつもりだったのだが、先ほど提案してくれた大臣やほかの多くの大臣も伯爵じゃあ低いと感じているのか。

 私は彼女が実際に書類仕事をしているところはほとんど見たことがないのだが、彼女はいつも夜遅くまで仕事をし、朝早くからまた仕事を開始しているそうだ。

 まあみんなが言っているんだし、まあいいか!フィネメイゼは確かに頑張っているし、彼女の性格ならきっと任せても問題ないだろう。逆にプレッシャーで押しつぶされないか心配だが、それはまた一緒に遊んで解決しよう。


「皆の意見はわかった。フィネメイゼ・アルキメデスを侯爵への陞爵としよう。異論があるものはいるか?」


 次こそはほんとに静かになった。


「では、フィネメイゼ。これからも侯爵として国のために頑張ってくれ。」

「陛下の為、国の為、そして民の為により一層尽くすことを誓います。」


 そう力強く宣言するフィネメイゼの目にはうっすらと涙が浮かんでいたように感じる。これほどまでに部下に信頼されている上司はいないだろう。


「また、調査の結果、フィネメイゼ侯爵の仕事量がほかの大臣に比べて著しく多いということが判明した。フィネメイゼ侯爵の今までの仕事をほかの大臣へ分配、これからは税の管理、そして私の補佐として国の管理に尽力してもらう。頼んだぞ。」


 そういって私は立ち上がり、この部屋から退出した。

 先ほども言った通り、フィネメイゼの仕事を調査した結果、明らか1人だけ量がおかしかったのだ。ほんとに努力家だし、何でもできてしまう有能な彼女だからこそ、私もみんなも頼ってしまう場面が多かったのだろう。今後も私はガンガン頼っていくが。何なら頼りやすくするために補佐にしたんだけどね。


 ちなみに、フィネメイゼの補佐をしていたリッペンには書類管理の仕事を引き継いでもらうことになった。相当重要な仕事だから頑張ってほしいと思う。

 これでこの国にいる貴族は私やレイナを含めて10人だ。これで私の仕事もちょっとは楽になるだろう。え?変わらないって?……まあいいや。私こういう仕事嫌いじゃないし、レイナとかフィネメイゼとか、頼れる仲間たちはいっぱいいる。

 みんなで協力して、この国を世界一の国まで成長させようじゃないか!やるならとことんやるよ!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る